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【菜の花】 (なのはな)
 アブラナの花。また、アブラナ。春の季語。
 続明烏「菜の花や月は東に日は西に」(蕪村)。「菜の花畑」
  《広辞苑・第六版》

 ととりつく島も無いような記述は広辞苑の解説より。
 日本の春の代表的な風景を選んだとしたら、一面に広がる菜の花畑の眺めは
 その中に必ずくわえられるもののはずです。
 一本だけ切り取って花瓶に飾ったとしても、菜の花はあまり見栄えのする花
 ではありませんが、一面を埋め尽くすような菜の花畑の眺めは春の日本の原
 風景と言っても過言では無いでしょう。

 菜の花は平安時代中期には渡来していたと言われますが、江戸時代に入った
 ころになると、その種から得られる油の需要が大きくなったことから、大量
 に栽培されるようになったものだそうです。日本における菜の花畑の風景の
 誕生と言えるでしょう。

 「日本の原風景」と思っている風景は、昔からただそこにあった風景ではな
 く、人々との関わりの中で生み出されて来た風景だったのです。

 日本の風景、日本の春、そうしたものは、ただただ在るものを残していけば
 良いというものではなく、それぞれの時代に生きるものが生み育ててゆくも
 のなのだと言うことを菜の花の風景は教えてくれているようです。

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/02/19 号

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