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 【五里霧中】 (ごりむちゅう)
 [後漢書張楷伝](広さ5里にもわたる深い霧の中に居る意)
 現在の状態がわからず、見通しや方針の全く立たないことのたとえ。
 心が迷って考えの定まらないことにもいう。

  トンネルを抜けるとそこは霧の中だった

 昨日の夜、車を走らせていて、深い霧に出くわしました。
 150m程のトンネルを抜けるとそこは霧。いきなり出くわしたという感じでし
 た。霧の中でぼんやりと灯る信号に従って車を走らせると車は橋にかかりま
 した。いきなり現れた霧の正体は、橋の下の川から生まれた川霧のようでし
 た。

 更に400m程車を走らせ、家に向かってハンドルを右に切る場所まで来るころ
 には既に車は霧の領域を脱していました。
 差し渡しで幅800m程の狭い範囲の霧でした。

 霧の領域を脱して振り返ると、転々と灯る街の明かりを滲ませる霧が川に沿
 って上流へと伸びているのが見えました。まるで誰かが作り出したようなご
 く狭い範囲の霧。
 自分の通過してきた狭い霧の領域を後方に確認した瞬間、本日のコトノハの
 内容は「五里霧中」に決定していました。

 語源となった張楷は道術(仙術)に通じていて、あいたくない人物など有る
 と、自分の周囲に五里四方の霧(五里霧)を作り出して姿をくらませたとい
 います。

 この話には続きがあって、同じ頃同じように道術で霧を生じさせることの出
 来る裴優という人物がおりましたが、彼の場合はどう頑張っても生じさせる
 ことが出来るのは三里霧まで。裴優は自分の術は張楷には及ばないと思った
 そうです。

 五里霧と三里霧。五十歩百歩という気もするのですが。
 ちなみに中国の「里」は約400mだったとか。五里霧ですから、 2km四方の霧
 ということになりますね。

 たまに見かける、「五里夢中」はこの故事を覚えておけばすぐに間違いだと
 気がつきますね。誤変換には気をつけましょう(と、私が言っていいのか?)。

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/05/08 号

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