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 【治世は大徳を以ってし、小恵を以ってせず】
 (ちせいは だいとくをもってし、しょうけいを もってせず)

 為政者が世を治めるには大きな恩徳をもってこれを行うのであって、無闇に
 小さな恩恵を振りまくことで行うものではないという意。 出典《三国志》

 三国志で有名な諸葛亮(しょかつりょう。字の「孔明(こうめい)」のほう
 が有名?)が、主君であった劉備(りゅうび。字は玄徳)との昔の会話を引
 用して劉備の後を継いだ後主をいさめた言葉です。

 為政者(君主・政治家)は民衆の人気を得たいもの。それは今も昔も変わら
 ないようで、人気とりのために「恩赦」を連発する君主もいたようです。
 劉備は、こうした人気とりの恩赦を、国を乱す元になるとして批判していま
 した。諸葛亮はその言葉を引いて、戒めとしたわけです。


 「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、より
  よき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝
  い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。」

 これは「国民の祝日に関する法律」の第一条。この祝日法に規定された二つ
 の祝日、体育の日と勤労感謝の日を文化の日前後に移動させて大型連休化す
 るという案が現在の与党にあり、これをこの夏の参議院議員選挙で重点政策
 として掲げる方針とのこと。

 現在既に、日曜・月曜と連休化するため「ハッピー・マンデー法」と呼ばれ
 る祝日法改正が施行されており、祝日の意味は混乱しつつありますが、今回
 の大型連休案はさらにこれに拍車をかけるもの。
 祝日法の第一条に書かれた、「国民の祝日」の意義は今いずこ。
 祝日をただの休日に堕してはいけないと思うのは私だけですか?


 選挙が近づくと、突然降って湧いたように「大型減税」やら「大型連休案」
 やら、あからさまな人気とりの「公約」が各政党から飛び出してきます。
 それぞれに、取って付けたような理由を並べてみても、

  とりあえず、票が欲しいんです

 という本音は見え見え。そうした浅ましい政治家が横行する世の中は情けな
 いですし、そうした政治家を当選させてしまう我々も情けないですね。

 「民衆にへつらうことは、お偉方にへつらうこと以上に、
  卑劣で汚いことである。」

 とは、ペギー(フランス。詩人・思想家)の言葉。思いは洋の東西を問わず。
 「治世は大徳を以ってし、小恵を以ってせず」という言葉を思い起こして、
 夏の参議院議員選挙戦を眺めることにしたいと思います。


オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/05/17 号

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