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【卯の花腐し】(うのはな くたし)
 (クタシは、グタシ、クダシとも。卯の花を腐らす意) さみだれの異称。
 謡、歌占「時しも―のさみだれも降るやとばかり」。
 日葡辞書「ウノハナクダシ」    《広辞苑》より

 旧暦の四月は「卯月」。また「卯の花月」とも呼ばれます。
 この呼び名は、卯の花が咲く月だからついたという説もありますが、卯月に
 咲く花だから卯の花だという説も有ります。
 さて、どちらが鶏でどちらが卵でしょうか?

 暦月の名と花の名前の鶏と卵論争はさておくとして、卯の花の咲く季節であ
 ることは確か。
 この卯の花の咲く季節に降る雨を、「卯の花腐し」と言います。卯の花を腐
 らせるような長雨ということです。春雨と梅雨の間、本格的な梅雨の前触れ、
 走り梅雨の呼び名だと言われます。

 せっかく咲いた卯の花を散らせてしまう雨だから、「卯の花降し」と書くの
 だとも言います。

 自宅の裏山にも卯の花が自生しており、家からほんの 5分その山の中へ足を
 踏み入れれば、野生の卯の花を見つけることが出来ます。
 雨の日に傘をさし、靴を濡らしながらこの山に入ると山の木々の間に、白く
 並んだ卯の花が、枝や葉や花の上に雨粒を載せて咲いています。

 名前では卯の花を腐らせたり、降したりする卯の花の天敵のような雨ですが、
 雨の中の卯の花は美しく、それを見れば卯の花と卯の花腐しの雨は存外、仲
 がよいものなのかもしれないと思えてきます。

 

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/06/01 号

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