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【天爵】(てんしゃく)
 生まれつきそなわっているすぐれた徳。身分にかかわりなく自然にそなわっ
 た徳。 《学研国語大辞典》

 孟子・告上篇に
  天爵なる者有り、人爵なる者有り (有天爵者 有人爵者)
 という一文があります。天爵と人爵は対義となる言葉です。この話は更に続
 き、孟子の時代の天爵と人爵のとらえ方を語っています。

 天爵は生まれながらにして天が授けた忠・孝・仁・義などの人徳の事。更に
 言えば、天から与えられた善を為し得る人の心とも言えます。これに対する
 人爵は大臣であるとか、貴族であるとかの人間によって与えられた官位の事。

 本来は天爵を修めるために努力を続け、天爵が進めば自ずから人爵はついて
 くるもの。いわば人爵は天爵に対する付録のようなもの。それなのに近頃は、
 人爵を得るために天爵を修養するような風潮があると孟子は嘆いています。

 天爵が人爵を得るための手段に堕してしまったので、人爵を得てしまうとも
 う天爵を磨く努力をやめてしまう。人爵を得て人の上に立つような人間が、
 天爵を磨く努力をやめてしまうとしたら、あとは滅びの路をたどるしかない
 と孟子は考えたようです。


 天爵は誰にでも生まれながらに備わっています(天爵自ずから備わる)。た
 だこれは、宝玉を生み出す原石が備わっているという意味で、そのままに終
 わらせればただの石です。この生まれながらに備わった原石を磨く努力があ
 って、始めて宝玉の輝きが生まれます。

 「天爵自ずから備わる」というのなら、その天爵が輝かないのはなぜか?
 それは磨く自分の努力が足りないせいだということになります。
 自らを省みて、青くならない人は少ないと思います。
 私は、現在真っ青です。

 (本日は、9/19に頂いた kyokoさんからのメールを受けてのコトノハでした)


オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/09/21 号

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