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【一陽来復】(いちようらいふく)
 1.陰がきわまって陽がかえってくること。陰暦11月または冬至の称。
 2.冬が去り春が来ること。
 3.悪い事ばかりあったのがようやく回復して善い方に向いてくること。

 易の卦では陰暦(旧暦)十月は「坤為地(こんいち)」と言って、陰陽で言
 えば全て陰(陰陰陰陰陰陰)だけで構成される純陰の卦を持つ月です。
 これに対して、冬至を含む月である十一月(旧暦の)の卦は「地雷復(ちら
 いふく)」という卦を持ちます。この卦は、十月では消えてしまった陽の卦
 がわずかに戻ってくることを表しています(陰陰陰陰陰陽)。

 ※参考まで、「坤為地」と「地雷復」の卦は次のように表されます。
  「坤為地」   
  ■□■ (陰)
  ■□■ (陰)・・・地
  ■□■ (陰)
  ■□■ (陰)
  ■□■ (陰)・・・地
  ■□■ (陰)

  「地雷復」
  ■□■ (陰)
  ■□■ (陰)・・・地
  ■□■ (陰)
  ■□■ (陰)
  ■□■ (陰)・・・雷
  ■■■ (陽)

 陰暦の十一月にこの卦があてられたのは陰暦の十一月が伝統的に「冬至」を
 含む月だったからです。冬至は、

   日南の限りを行きて日の短きの至りなれば也

 と解説されるように、太陽が最も南に下り、昼の長さは一年で一番短くなる
 日です。このことだけを考えれば、陰々滅々として純陰と考えてもよさそう
 ですが、昔の人はそうは考えませんでした。陰もきわまればそれ以上の陰は
 ありませんから、そこをターニングポイントとして再び陽が戻ってくると考
 えたのです。

 太陽にとっての一年の終わりである冬至は、また太陽にとっての新しい一年
 の始まりの日でもあるわけです。そしてその冬至を含む十一月を表す卦とし
 て一つだけ陽の気を含んだ「地雷復」があてられました。陽の気の仄見える
 最初の月というわけです。

 よく不遇の時期を「冬の時」など言い表すことがありますが、冬は辛い時期
 であると共に、春を内包し、新しいものが生まれる時期でもあります。
 暦では陰暦十一月は十二支で言えば「子の月」。「子」は鼠を表すと考える
 と意味がわからなくなってしまうのですが、子を鼠としたのは後世のことで
 あって、本来は「ふえる」という意味を持った十二支です。
 つまり生命が増殖するその始まりの月。

 明日はいよいよ冬至。
 季節の終わりを示す日であり、新しい季節の始まりの日です。
 この一年、よいことが無かった方にはいいことが始まる日となり、よいこと
 があった方には、それがますますふえて行く日となりますように。

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/12/21 号

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