【筍の親勝り】(たけのこの おやまさり)
(筍はすぐに親竹と同じ、またはそれ以上の高さに成長することから)子供
の成長が早く、またたく間に親をしのぐようになることのたとえ。
また、子供が親よりすぐれていることのたとえ。
「筍は親に勝る」ともいう。
《成語林》
筍は古くから「たこうな」「たかんな」などと呼ばれ、食用とされてきた歴
史があります。季語としては夏の季語となっているのですが、夏と言っても
初夏の頃のものでしょう。現在目にすることの多い孟宗竹の筍は晩秋から初
夏の頃に顔を出します。
七十二候では5/15〜20の期間に「竹筍生ず」(二十一候)が割り当てられて
います。
◇「旬」は周囲を取り巻くの意味
「筍」の文字は「竹」+「旬」。旬は一回りとか、周囲を取り巻くといった
意味がある文字だそうで、筍が皮に取り巻かれていることからこの文字が生
まれたとうです。
筍のこの皮、むき始めるとむいてもむいても次々に新たな皮が現れてなかな
か大変。皮が無くなると筍本体は意外に細かったりして。
筍は大分着ぶくれして地上に姿を現すようです。
◇「旬」は十日の意味?
「旬」には十日という意味もあります(月の上旬、中旬、下旬などと使う)。
筍は生長が早く、十日で筍から竹に変ずるともいわれるますから、そう考え
ると、十日で竹になってしまう竹の子にこの「旬」の文字が使われたのには
何かの意味があるのでしょうか。
こよみのページとしては、その方が話が作りやすくていいのですけれど。
さて、子を持つ身としてはこの「筍の親勝り」のように子供が成長すること
を望みたいところですが、「瓜の蔓に茄子はならぬ」ともいいます。
さて、どうなりますか。今は神のみぞ知ることです。
オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2008/05/16 号
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