こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
【止筍】(トマリタケノコ)
 発生した筍が地上から数cm〜1mくらいまで成長したあと、それ以上成長せず
 立ち腐れしてしまったもの。
 止筍となる筍の率はマダケで20〜40% 、モウソウチクで40〜80% にも及ぶと
 言われています(立地条件や、栄養条件でばらつきが大きい)。

 竹藪、あるいは竹藪の周囲を歩くと、今の季節に時期はずれの筍を見かける
 ことがあります。
 筍だと思ってその皮を押してみると中身は空っぽ。そんな筍が止筍です。
 中には1mもの高さになって、皮があちこちむけるほどの大きさになって成長
 を止めてしまった止筍もあります。そうした筍の皮のむけたところでは緑色
 の竹の色から黄色に色変わりしつつある様子が見て取れます。
 筍が立ったまま枯死しているのです。

 筍は、親竹の地下茎から栄養の供給を受けてぐんぐん育ちます。ところがあ
 る時を境にこの栄養供給が止まり、その時に既に自立出来るまでに成長した
 竹以外は枯死してしまう結果となります。
 止筍がなぜ発生するのか。

 親竹が光合成で作り出す栄養分、地下茎から吸収される養分だけでは全ての
 筍の生長を支えることが出来ず、成長の遅いもの、遅れて発筍したものは成
 長しきれずに止筍となるのだと考えられます。

 ただ、施肥などによって養分を補給してやっても止筍の発生率は変化しない
 という研究もあり、単なる栄養不足だけでは説明出来ない部分があるようで
 す。まるで、竹はその生長の時期を知っていて、その時期に成長しきれない
 ものには、竹として生きることを許さないかのようです。

 今年生まれた一年竹が、親竹達に混じって梅雨の雨に濡れる姿をを、ドクダ
 ミの白い花の間から見上げる時季はずれの筍は、皮の中身の無い止筍。
 成長しきれず命を絶たれた止筍は、生き残り、竹となった仲間を羨んでいる
 のでしょうか。それともこれも運命だと受け入れているのでしょうか。
 ドクダミの白い花の間で、止筍は雨に濡れていました。

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2008/06/22 号

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