【脚力尽くる時 山更に好し】
蘇軾の詩、「登玲瓏山」の一節に
脚力尽くる時 山更に好し
限りあるを将(もつ)て窮まり無きを趁(お)うこと莫(な)かれ
とあります。
疲れ果て、脚に痛みがはしるほどになったときに目にする山の眺めは一際美
しい。限りある身で無窮の美を追い続けることはないといった意味でしょう
か。
北京オリンピックが開催されている最中にこれを書いておりますが、オリン
ピックの代表となるほどの選手は皆強い選手、偉大な選手です。
ただどんな強い選手でも、どんな偉大な選手であっても何時かは
力尽きる時
が来ます。それが勝ち続けて絶頂を迎えたときなのか、破れて再び起つこと
が出来ないときなのか、その時の迎え方は様々。
その時の迎え方がどのようなものであれ、力尽きる時にその先に「更に好し」
と言える眺めが広がっていることを祈りたい。
オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2008/08/15 号
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