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【虫時雨】(むししぐれ)
 多くの虫が鳴き立てるのを時雨の音にたとえていう語。秋の季語。
  《広辞苑・第五版》

 時雨とは初冬に降る雨。
 さっと降っては止み、また降っては止みと繰り返す雨のことです。
 このさっと降っては止む雨のように聞こえてはふと止み、止んではまた聞こ
 える虫の音の様を虫時雨と呼びます。虫の音が聞こえる季節は様々ですが、
 他の音があまり聞こえない時期だからでしょうか、

  虫の音

 と聞けば秋が思いおこされます。
 秋以外の季節に鳴く虫として思い出されるのは夏の蝉。
 そう言えば蝉の声もまた「時雨」の言葉を使って蝉時雨と言うことが有ります。

  時雨・蝉時雨・虫時雨

 と「時雨」の付く言葉を並べて見ると、その共通点は降っては不意に止んで、
 また降り出すというもの以外にもあるような気がします。
 その共通点とは皆「浸み込むもの」だと言うことです。

 時雨が降ればその水が地面にしみ込んでゆくように、蝉時雨の音も虫時雨の
 音もまた、ただ耳で聞く音だけでなく周囲の様々なものにしみ込んでゆくよ
 うに感じます。

 時雨が降る毎に冬が深まってゆくように、虫時雨が聞こえる毎に、虫時雨が
 身に回りのあらゆるところに浸み込んでゆく毎に、秋もその深さを増してゆ
 くようです。

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2008/08/25 号

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