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【萩・芽子】(はぎ)
 1.マメ科ハギ属の小低木の総称。
  高さ約1.5メートルに達し、叢生。枝を垂れるものもある。
  葉は複葉。夏から秋、紅紫色または白色の蝶形花を多数総状につけ、のち
  莢(さや)を結ぶ。
  種類が多い。観賞用、また、家畜の飼料。
  普通にはヤマハギ・ミヤギノハギを指す。
  秋の七草の一。胡枝花。秋の季語。
 2.襲かさねの色目。表は蘇芳すおう、裏は青。秋に用いる。
 3.紋所の名。ハギの葉・花・枝にかたどったもの。
   《広辞苑・第五版》

 萩の文字を漢和辞典で引いてみると
 【萩】
 《意味》
  {名詞}秋草の名。よもぎの一種。川岸の砂地や荒れ地に自生する。
  かわらにんじん。
 《日本語での特別な意味》
  はぎ。草の名。山野に自生する。初秋に紫紅色または白色の花をつける。
   《学研漢和大字典》

 とあります。「意味」の項にはよもぎの一種とあります。
 え?と思われた方もいらっしゃると思います。萩とよもぎでは共通点が見つ
 かりません。どこをどう見てもよもぎではない・・・。

 その「え?」に対する答えはわざわざ「日本語の特別な意味」と断って為さ
 れたその次の説明。初秋に紫紅色または白色の花をつけると、こちらは私た
 ちが萩の花に抱くイメージのとおり。日本語の特別な意味と為されているの
 は漢字の本家中国では「萩」の文字は日本の萩とは別の植物を指す文字だか
 らです(日本の萩は中国では「胡枝花」と書いたそうです)。

 今は十月の始め。この時期には人家の庭にも野原にも萩の花を見ることがで
 きます。春の桜のような艶やかさはありませんが、花をつけた枝が朝露に濡
 れて弧を描くように頭を垂れる姿はなかなか美しいものです。

 現在の私たちからはやや地味なイメージの萩ですが、万葉の時代には大変愛
 された花で、萩の花を読み込んだ歌は 142首もあり、万葉集第一の花となっ
 ています。また万葉集に詠われた「花見」の対象はこの萩(と梅)だけだと
 か。きっと朝露に濡れた秋の野に馬を進めて萩の花を眺めたのでしょう。

 昨夜は少しだけ雨が降ったようです。
 今朝は朝露ではなく昨夜の雨に濡れた萩の花を眺めることになりそうです。

 (なお「萩の花見」については、一年ほど前に暦のこぼれ話で取り上げたこ
  とがあります。興味のある方はそちらもあわせてお読み下さい。
   萩の花見 → http://koyomi8.com/doc/mlwa/200709300.htm )

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2008/10/07 号

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