こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
【賄賂】(わいろ)
 1.不正な意図で他人に金品を贈与すること。
  また、その金品。まいない。袖の下。「賄賂を贈る」
 2.〔法〕職務に関して授受する不法な報酬。
  《広辞苑・第五版》

 今年(2008)の 9月末に麻生内閣が発足して一月半。今この内閣で一番の話題
 となっているのは

  「生活支援定額給付金」

 なるもの。
 「生活支援」だ、「給付金」だと何となく印象の良さそうな言葉を並べてみ
 ましたというその名前からしてなんだか怪しい感じです。

 緊急の景気浮揚策として国民の国内消費を促すためであるとか、いやいや生
 活の苦しい人々への給付が目的で一種の福祉対策であるとか、時と場合と話
 す人(政治家)の立場によってその目的をころころと変えているような状況。
 本当はそんなにしっかりした目的なんてない、人気取り政策だろうというこ
 とが見え見えです。

◇既視感(デジャヴ)
 そういえば以前もこれとよく似た「地域振興券」なるものが配られたことが
 ありました。1999年のことですから、今からおよそ10年前のこと。
 確かこのときも地域経済の振興させるための消費の喚起政策であると説明し
 て、一定の基準を満たす家庭に 2万円分の地域振興券をばらまきました。

 およそ10年が経過した現在、この地域振興券が目的としたような景気刺激効
 果があったかを論じる記事や論文はWeb を検索するとごろごろ出てきますが、
 どれを見てもその論調は「失敗だった」というものばかり。
 今回の「生活支援定額給付金」がもし実際に行われたとして、これをまた10
 年後に振り返ったら「失敗だった」ということになっているように思えてな
 りません。

 さて、経済には疎い私が考えるとどうやら「上手くいきそうにない」と思わ
 れるこの定額給付金ですが、この案を持ち出してきた与党内でもその目的が
 景気刺激だ、生活支援だと二転三転している様子。本当の目的はこうした建
 前上のものではないからこんなに変わるんでしょうね。
 では本当の目的はなにかといえば、選挙対策でしょう?

◇賄賂・・・不正な意図で金品を贈ること
 選挙において「我が党をよろしく」と金品を渡すようなことをしちゃいけま
 せん。犯罪です。賄賂とは不正な意図で他人に金品を贈与することですから、
 もし選挙において「我が党をよろしく」とお金を渡したとしたら、このお金
 は賄賂といえるでしょうね。

 では、「生活支援定額給付金」なんていう名前で、「我が党をよろしく」と
 金品をばらまいたらこれは何? 賄賂じゃないの?
 それも出所は税金ですから「よろしく」という人の自分の懐は痛まない。
 賄賂じたいいけないことですけれど、もしその賄賂に

  質の良い賄賂と、悪い賄賂

 なんていう区別があるとしたら、自分の懐を痛めて出す賄賂はまだ質の良い
 賄賂で、自分の懐は痛めず利益だけ得ようなんていうのは質の悪い賄賂とい
 う気がします。しかも財源は税金だと考えると、この「質の悪さ」は折り紙
 付きじゃないですか。

◇袖の下(そでのした)
 賄賂のことを「袖の下」ともいいます。
 賄賂は不正なお金なので、人に見られないようにこっそりと着物の袖に隠す
 ようにして渡したからです。洋服が当たり前の現在だと、なかなか「袖の下」
 には隠せません。みんなが手品師ならべつですが。

 この言葉が示すように、「不正なお金の授受」は人に見られないようにこっ
 そりするものと昔は相場が決まっていたものなのですが、最近は袖の下に隠
 すといった奥ゆかしい行い(?)は影を潜め、政策としておおっぴらにやっ
 てしまえるようになったようです。

 恥知らずになったというべきか、それとも大らかになったというべきか。
 確実にいえるのは、時代は変わったということです。
 時代も変わったことですし、いっそ「賄賂」も「給付金」と言葉を変えてし
 まってはいかが?

  「それはいかがなものか」

 が口癖の現総理はやはり、「いかがなものか」とおっしゃるでしょうか。

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2008/11/08 号

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