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【木の根開き】(きのねあき)
 立ち木のまわりの雪がいちはやくとけること。
 雪国の春を告げる現象である。
 木のまわりに土がのぞくと春が足早にやって来る。
  《坪内稔典著 「季語集」より抜粋》

 一面の雪の原の風景を冬の間、当たり前に目にするような雪国では、新たに
 雪が積もることが無くなる早春の季節になると、立木の根元の雪が他の雪に
 先立つように融けてゆく様子が目につくようになります。

 木の幹の周り、ほんの数センチから十センチくらいの雪が、まるで掻き取っ
 てしまったように融けて無くなり、隙間が出来るのです。
 こんな風に木の幹の周囲に隙間が空き始める現象を「木の根開く」とか「木
 の根明け」とか呼びます。

 冬は葉を落としてしまい、それによって根元まで雪が積もってしまうような
 雑木林ではこの現象がはっきりとわかります。
 何せ、太い木、細い木の区別無く、どの木の周りでもこの現象が起きるから
 です。

 木が吸い上げる地下水が外気より暖かいため、これを吸い上げる木の幹の回
 りもほんの少し温度が高いため、他より早く雪が解けるのだとか。

 一本一本の立木の幹の周りに開いた雪の隙間が広がって、隣り合った隙間と
 隙間がくっついてゆくようにして、大地の見える面積は着実に広がってゆき、
 一面の雪の野は春の大地へと変わってゆきます。

 「木の根開く」は春の季語。
 東北に生まれ育った私には、木の根開くは早春のなじみの風景でした。

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2009/02/21 号

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