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【辛夷】(こぶし)
 モクレン科の落葉高木。山野に自生、また観賞用に栽植。高さ約10メートル。
 早春、葉に先だって芳香ある白色六弁の大花を開く。
 果実は秋に熟し開裂、白糸で赤い種子を釣り下げる。
 材は緻密で器具・建築に、蕾は鎮静・鎮痛剤に、花は香水の原料に、樹皮・
 枝葉からはこぶし油をとる。ヤマアララギ。コブシハジカミ。(漢名「辛夷」
 は本来モクレンの称)。春の季語。
   《広辞苑・第五版》

 辛夷の名は、その蕾が赤子の握り拳に似ているところからつけられたといわ
 れています。名前の漢字に「辛」がありますが、辛夷の実はその文字のとお
 り山椒のような辛みがあるそうです。

 春の山でまだ雪が残る時期から咲き始める辛夷は、北国では田を耕し始める
 時期を知らせる自然の暦の役割を果たしていて、「田打桜(たうちざくら)」
 の異称をもっています。

 花からは香水の原料となりまた漢方薬ともなります。
 樹皮からは辛夷油が採れ、その材は硬くて建材ともなるという人間にとって
 は大変役立つ木です。

 山の雪が融けて斜面を覆った白い色が消えた所を埋めるかのように咲く白い
 辛夷の花は北国の春を告げる花の一つです。

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2009/03/26 号

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