こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
【びんた】
 1.頭髪の鬢の所。
 2.他人の頬を手のひらで打つこと。「びんたを食う」「往復びんた」
  《広辞苑・第五版》

 今「びんた」といったときにこの広辞苑の 1の意味を思い浮かべる方はどれ
 くらいいらっしゃるでしょうか。
 ほとんどは 2の意味を思い浮かべるのでは?

 今日(6/17)は「おまわりさんの日」。明治 7年のこの日に巡査制度が誕生
 したことを記念した日です。
 明治の始め、東京の市中を警備する目的で薩摩藩の士族を中心として警察組
 織が作られ、東京の各所に「ポリス」が設置されました。その後この名称は

   ポリス → 羅卒 → 巡査

 と変わり、現在でもおなじみの「巡査」で落ち着きました。
 さて、この明治初期の警察組織の誕生の経緯から解るとおり、初期の警官は
 圧倒的に薩摩藩出身者が多かったわけです。
 街で何か悪いことをしておまわりさんに見つかると

  「こら、何している!」

 となるのは昔も今も同じ。
 そして逮捕するまでもない悪さの場合、ぴしゃりとやられたりしました。
 (今はいろいろとうるさいので、こんなことは無いのでしょうけれど?)
 悪さをしたものをぴしゃりとやるときにおまわりさんは、

  (ぴしゃりとやるから)「頭を出せ」

 といったわけですが、この時の「頭」を薩摩出身の警察官は「びんた」と言
 いました。今でも鹿児島ではこの

  びんた = 頭

 という使い方が残っているようです。
 こうして悪いことをするとおまわりさんにぴしゃりと張られたことが、これ
 をやられた東京の人たちからすると「びんたを出せ」と言われて叩かれるわ
 けなのでいつしか「びんたを張られた」ということになったのだとか。
 逮捕するまでではないけれど、悪いことをしたら

  恐いおまわりさんにびんたされるぞ

 という言葉が、悪ガキたちの間で度を超した悪事をはたらくことへの抑止力
 となっていた時代がありました。今は、警察官が「ちょっとこっちへ来い」
 なんて言ってびんたでもしようものなら問題になりそう。

 昔と今と、どちらが真っ当な世の中かはさておくとして、「びんた」という
 言葉は明治時代のお巡りさんの言葉から生まれ、現在では「他人の頬を手の
 ひらで打つこと」行為を指す言葉として定着しているようです。

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2009/06/17 号

こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック