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【虫出しの雷】(むしだしの かみなり)
 (冬眠している虫をさそい出す意) (→)初雷(はつがみなり)に同じ。
 春の季語。
 好色五人女4「虫出しの雷ひびき渡り、いづれも驚きて」
   《広辞苑・第五版》

 広辞苑での読みは「雷」を「かみなり」としていますが、ここを「ライ」と
 読むこともあります(私の場合、「むしいだしの らい」の方の読みで覚え
 ていました)。単に「虫出し(むしいだし)」とだけ言う場合もあります。
 立春後の初めての雷を指す言葉です。

 「虫出し」とされるのは初雷の時期が二十四節気の啓蟄(新暦の例年 3/6頃
 にあたります)の頃であるからでしょう。

 啓蟄といえば土の中で冬眠していた虫たちが、土の穴の中から姿を表す時期
 とされていますから、その時期に鳴り響く雷は虫たちの目覚めを促す自然の
 目覚まし時計の音なのでしょう。

  春が来たぞ、早く起きなさい

 虫出しの雷は、そう呼びかける天の声です。
 この天の声に応じて目覚めるのは何も虫たちだけということはありません。
 冬眠するなら両生類でも爬虫類でも哺乳類でも同じ。啓蟄の頃の季語には、
 虫以外のものが姿を現す様子を表した「蛇穴を出ず」「熊穴を出ず」という
 ものまであります。虫も蛇も熊もみんな「春が来たぞ」と知らせるこの天の
 声が聞こえているのでしょう。

 熊や蛇の姿は目にしませんが、啓蟄を過ぎた頃から私の回りで蛙の声が聞こ
 えるようになりました。昨夜などは大合唱に近い状態です。

 蛙も、熊や蛇、虫たちと同じく冬眠する生き物。きっと虫出しの雷で目覚め
 たのでしょう。そういえば、啓蟄の少し前には雷鳴が聞こえたことがありま
 したが、あれが虫出しの雷だったのかな?

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2010/03/07 号

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