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【季布の一諾】(きふの いちだく)
 {「季布」は、中国漢初の楚(そ)の人。「諾」はよしと返事すること}
 (季布という人は信義に篤く、一度承知したら絶対にことばをひるがえすこ
 とがなかったことから)絶対に信頼できる固い約束をいう。
 「季布に二諾(にだく)無し」ともいう。
   《成語林より》

 「季布の一諾」は短縮して「季諾」ともいいます。
 いつも利用しております広辞苑には残念ながらどちらの言葉もなかったので、
 本日は別の辞書に登場して頂きました。そんなに使われない言葉なのかな?

 季布は項羽と劉邦が天下を争った楚漢戦争において、項羽配下の将軍として
 劉邦を何度も窮地に追い込んだ人物で、この戦争に勝利した劉邦からは、そ
 の首に多額の賞金をかけられて追われましたが、季布の人物を惜しんだ人々
 に匿われ、後に劉邦と直接面会する機会を得て、罪を許され、劉邦の建てた
 漢王朝に仕えることになった人物です。

 季布は若い頃から義理堅い人物として知られていて、彼を頼る人は多くあり
 ましたが、頼み事をされても季布は滅多に「諾」といって承知することが無
 かったので、「季布の一諾」を得ることはとても難しいことでした。

 季布が滅多に「諾」といわなかった理由は、ひとたび「諾」と答えたからに
 は一命を賭けてもその約束を守ら無ければならないと考えたため、どんな簡
 単なことでも、納得し自分が絶対にそれを守れると確信するまで口を開かな
 かったためだといわれています。そんな季布の一諾を世間の人たちは

  「黄金百斤を得るは、季布の一諾を得るに如かず」

 というようになりました。季布の一諾を得ることは黄金百斤(約60kg?)を
 得るよりも価値があるという意味です。
 一度承諾したことを後からひるがえすことが無かったので、

  季布に二諾無し
  (最初と異なった承諾をすることはない)

 ともいわれます。
 「季布の一諾」は固い約束を表す言葉ですが、言葉の重さというものを思い
 出させてくれる言葉でもあります。
 「あの時はそういったけれど、事情が変わってね」なんて気軽に言っていな
 いかなと、我が身顧みてしまいました。

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2011/08/13 号

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