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【玄冬】(げんとう)
 (古くはケントウ。「玄」は黒、五行説では冬にあてる)冬の異称。
 冬の季語。
 平家物語灌頂「玄冬素雪のさむき夜は褄を重ねて」
   [株式会社岩波書店 広辞苑第六版]

 広辞苑の説明にあるとおり、「玄」は黒を現す文字です。
 五行説では四季にはそれぞれ次のように色が配されています。

  春は青 (青春)
  夏は赤 (朱夏)
  秋は白 (白秋)
  冬は黒 (玄冬)

 ()内は、この色と組み合わせて季節を表現した呼び名です。
 ちなみに五行なのでもう一色(黄)あるはずですが、こちらは四季に当ては
 めることが出来ないので、四季それぞれのお終いにある土用の期間にこの色
 が割り当てられることになっています。

 五行説の「玄」は、方位では北を表します。
 北の方角には玄武という胴体は亀で頭と尻尾は蛇の姿をした神獣がいて、こ
 の方向を守護していると考えられています。

 冬はこの北の玄武の気が強い季節ですから、北から寒気が押し寄せて寒い季
 節となると考えたのでしょう。
 ただ、玄武の気が強い季節はただ寒いだけの季節ではありません。新たな四
 季の巡りの準備をする季節でもあります。

 方向では北を季節では冬を司る神獣、玄武はまた水を司る神でもあります。
 水はすべての生き物が生きて行くために無くてはならないものです。

 冬の草木は地上では枯れはてて、まるで死んでしまったようですが地中では
 この水の気の力を吸収し、冬に続く季節、春には新しい緑の葉を延ばして行
 くと考えられます。

 寒く辛い季節と思われがちな冬ですが、目に見えないところで無くてはなら
 ない重要な季節です。目に見えないところで重要な働きをするとは、さすが
 「玄人」の玄の文字を冠した季節ですね。

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2011/12/11 号

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