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【黄梅】(おうばい)
 モクセイ科オウバイ属(通称ジャスミン)の落葉小低木。
 中国原産の観賞植物。高さ0.5〜2メートル。
 茎の若い部分は緑色で四角く、上部は垂れる。春、葉に先立って 6弁黄色の
 梅に似た花を開く。
 迎春花。金梅。春の季語。
   《広辞苑・第六版》

 同じ「黄梅」と書いても、「こうばい」と読むと黄色く実った梅のみのこと
 を表す言葉になりますが、本日はそれとは違う、「おうばい」と読む黄色い
 花の話です。

 黄梅の英語名はウィンタージャスミン(winter jasmine)あるいは、イエロ
 ージャスミン(yellow jasmine)。
 その名の示すとおり、あの強い芳香のあるジャスミンの仲間です。

 黄梅は父が育てていた花の一つで、時々朝夕の水遣りをさせられていたので
 小さな頃からなじみのある花でした。しかし、今思い返してみてもこの花に
 ジャスミンのような芳香を感じた記憶はありません。

 「わずかに芳香がある」と説明する本もありますが、お仲間のジャスミンの
 如き「強烈」とも云える香りを期待してはいけません。
 同じ人間でもいろいろあるように、ジャスミンの仲間にも黄梅のように香り
 に恵まれなかった花もあると云うことです。

 ジャスミンの仲間なのに、それらしくない香りの薄い黄梅ですが、名前の方
 はというと、仲間でもないのに「黄梅」と、まるで梅の仲間のような名を持
 っています。

 黄梅の花が梅の花に似ているからと首肯するほど花も似ているわけではあり
 ません。花は六弁で、花の下部は筒状。梅とは大分違います。
 強いて梅と黄梅の共通点を探せば、他の花々に先駆けて、まだ厳しい寒さの
 残る早春に咲き出すという、花の時期くらいのことでしょうか。

 この花は渡来植物。原産地は中国。やや標高の高い場所に自生するそうです。
 日本への渡来は、元禄時代以前。
 一説には平安時代には既に栽培されていたとも云われる古い渡来植物です。
 中国での名前は「迎春花」。いかにも目出度い感じの名前。

 この目出度い名前のとおり、まだまだ寒いこの時期に、黄梅は花を咲かせて
 春という季節を出迎えようとしています。

   「寒いから、水遣りなんて嫌だな」

 そんなことを思いながら父の手伝いで外に出た、昔々の子供の自分を思い出
 させてくれる早春の花でした。

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2012/02/25 号

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