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【スーパームーン】(Supermoon)
 月が地球に最も近づいたときに、満月もしくは新月の形になった月の姿、ま
 たはその現象をスーパームーンという。
  (中略)
 もともと「スーパームーン」とは近年になって言われ始めた占星術の用語で、
 惑星直列などとともに、地震が起こるなどの災禍が訪れるという風説がある。
 しかし、そのような事実の裏付けはなく、力学的には潮位の干満の差がわず
 かに大きくなる程度に過ぎないと考えられている。 
 『知恵蔵2011』の解説
   《kotobank(http://kotobank.jp) 「スーパームーン」より抜粋》

 数日前(2012/05/06)の満月が「スーパームーン」だったと、ネットニュース
 などで話題となっていました。
 ネットニュースを読んでみるとどうやら、

  「月が近地点(その軌道上でもっとも地球に近づく位置)を通過する時期
   に満月となった月」

 といった意味で使われているようでした。
 近地点での月は地球に近い位置にありますから、見かけの大きさは大きくな
 って、その時期が満月と重なったなら、大きな満月が見えるわけですから、
 「スーパームーン」というのも何となくうなずける呼び名ですが、こんな呼
 び名があることを私は知りませんでした。
 少なくとも、昔はそんな呼び名は無かった。

 こんな呼び名があるのかと調べたところ見つかったのがkotobankの説明。
 kotobankの説明後段を読むと

  「スーパームーン」とは近年になって言われ始めた占星術の用語

 とあり、これなら知らないわけだと納得。
 この説明でネットニュースを読んで私が考えた意味とちょっと違っていたの
 は、近地点付近で満月をむかえただけでなくて新月をむかえた場合もスーパ
 ームーンと呼ばれるということでした。

 ウィキペディアの英語版の「Supermoon」項目にも、同様の説明がありまし
 た(⇒ http://en.wikipedia.org/wiki/Supermoon )。

◇ちょっと説明
 月は地球の衛星で、一般には地球の周りを楕円軌道を描いて回っていると説
 明されます。
 楕円軌道ですので月と地球の距離は近いときと遠いときが出来るのですが、
 軌道上でもっとも地球に近い位置を「近地点」、反対にもっとも遠くなる位
 置を「遠地点」と呼びます。

 近地点や遠地点がいつも満月や新月にあたるわけではなく、三日月の時も半
 月の時も近地点を通過します。
 ただし、月には地球以外にも太陽の引力の影響が強く働くためその軌道は単
 純な楕円軌道とはならず、変形させられます。

 この太陽の引力による軌道の変形のため、新月や満月といった太陽・地球・
 月がほぼ一直線に並ぶような位置関係にあるときには、地球と月の距離はそ
 うでない場合より近くなり、これと90°ずれた位置関係になる半月の時期の
 地球と月の距離は送でない場合より遠くなります。

 近地点は楕円軌道上で月がもっとも地球に近づく位置ですが、この位置にあ
 る時に、新月や満月を迎えると、太陽の引力による軌道の変形の影響も加わ
 って、月と地球の距離は平均の384400kmより約7%も縮まります。

 天文学的には「ああ、そうだね」という程度で、この現象に特別な意味はあ
 りませんので、特別な呼び名もありません。
 でも世の中には「いつもより近い位置にあることには特別な意味があるのだ」
 と、特別でないことにも特別な意味付けをしたい方々もいらっしゃるので、
 「スーパームーン」という言葉が生まれたようです。

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2012/05/09 号

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