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【蝉時雨】 (せみしぐれ)
 蝉が多く鳴きたてるさまを、時雨の音にたとえていう語。夏の季語。
   《広辞苑・第六版》

 耳をつんざくばかりの大音響。
 深閑としているはずの林の中が、本格的な夏が到来する時期には、喧噪の場
 と化します。騒ぎの元は蝉の声。

 林の中だけでなく、お寺や神社、街中でも樹木の多い公園などでは、やかま
 しいほどの蝉の声が聞こえてきます。

 蝉たちは時には一斉に鳴き始め、時には一斉に鳴き止みます。
 唐突に頭上から降り注ぎ、また唐突に止む蝉の音を急に降り出し降り止む雨
 になぞらえた言葉が蝉時雨です。

 本格的な夏のおとづれを告げる蝉時雨。
 やかましい蝉時雨に包まれると、周囲の気温が「+2℃」上がったような気に
 なりますね。
 蝉時雨は暑い夏をますます暑くしてくれる夏の風物詩です。

 盛夏の時期には連日続くやかましい蝉時雨ですが、蝉の命は儚いもの。
 今日、蝉時雨の大合唱に加わる蝉の何割かは、昨日までの蝉とは違っている
 でしょう。騒がしく暑苦しい蝉時雨ですが、蝉たちにとっては、生きた証の
 騒がしさなのです。

 蝉時雨の大合唱は合唱団を構成する蝉を替え、蝉の種類を替えながら続いて
 行きます。

 蝉時雨の喧噪が一段落し、寒蝉(つくつくぼうし)や蜩(ひぐらし)の落ち
 着いた鳴き声に変わる頃には、暑い夏も峠を越えて秋風が吹き始めます。
 秋の気配を感じる頃になれば、騒がしかった蝉時雨も、つらい暑さとともに
 懐かしい夏の思い出となることでしょう。

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2012/07/28 号

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