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【犬馬は難し】(けんばは かたし)
 犬や馬を描くことはむずかしい。
  《韓非子・外儲説篇左上》

 何を描くのが一番難しいか、斉王が画工に問うと画工は
  「犬や馬が難しゅうございます」
 と答えました。

 では何を描くのが簡単かと問うと
  「鬼や化け物が簡単です」
 と画工は答えました。

 鬼や化け物は誰もその姿を見たものが無いので、どのように描いても人は、
 「なるほど、こういうものなのだな」と納得し感心するので描く側にとって
 は最も簡単なのだいうのです。

 その点、犬や馬などは誰でもよく知っているもので、いつも間近に見ること
 の出来るものなので、おかしな点があれば、それが小さな部分であってもす
 ぐにおかしいと気づかれてしまう、そういう点で、身近な犬馬を描くのが一
 番難しいのですと画工は説明しました。

 高尚な理想を論じ、思いもよらぬ奇抜な意見を歯切れ良く述べて注目を集め
 る人がいます。

 理想を語るその話は感心するばかりですが、いざそれを現実の世界に適用さ
 せて行くのかとう段に話が移ると、とたんに歯切れが鈍り、話が曖昧なもの
 になってしまう、そんな人が案外に多いように思います。

  「鬼や化け物を描くのは簡単だが、犬馬を描くのは難しい」

 犬馬は描けるのか?
 好んで鬼や化け物を描くようなことばかりしていないか?
 かわうそも自省したいと思います。

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2014/07/25 号

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