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【郁子・野木瓜】(むべ)
 アケビ科の常緑蔓性低木。暖地に自生。
  5〜7枚の厚い小葉から成る掌状複葉。
  5月頃、白色で淡紅紫色を帯びる花を開き、佳香がある。
  暗紫色のアケビに似た果実を結ぶが開裂しない。甘く食用。
  茎・根などは利尿剤。トキワアケビ。うべ。秋の季語。
 「郁子の花」は春の季語。
 〈倭名類聚鈔17〉
  《広辞苑・第六版》

 秋になると赤紫の楕円形の実が生ります。
 実は近縁のアケビ(通草)とよく似ていますが、アケビよりやや小ぶり。た
 だしアケビの実にも小さなものもありますから大きさだけでは区別が難しい
 のですがアケビとの大きな違いは、実が熟しても口を開かないこと。
 アケビと違って口の堅いムベです。

 晩秋には葉を落としてしまうアケビと違って、ムベは常緑。また、芽生えた
 頃には三葉の葉をつけるのに、その生長に従って葉の数が五葉、七葉と変化
 することから「七五三」の縁起のよい植物ということで、庭に植えられるこ
 ともあります。
 冬にも葉を落とさないことからトキワアケビもと呼ばれます。

 野生では関東以南の、比較的海に近い場所に好んで自生します。
 私の生まれ故郷は東北でしたから、アケビはなじみの秋の果実でしたが、ム
 ベの方は関西の海辺の街で暮らすようになってからです。
 和歌山県の那智勝浦町にある自宅のすぐ裏にも、野生のムベが秋になると毎
 年、赤紫の実を生らせています。

 仕事の都合で現在は自宅のある太平洋沿岸の土地ではなく日本海に面した街
 に住んでいます。しかし自然が一杯あって海辺にで有ることは同じ。もしか
 したら見つけられるかも知れないと思って、昨日の午後、近所の裏山を探検
 してみました。蜘蛛の巣に引っかかりながら雑木の間を歩き回ること約1時
 間、やっと見覚えのある葉をつけた蔓を見つけました。
 やっぱりありました。

 雑木の枝葉と蔓の葉の間には、まだ熟す前の青い実が五つ。
 熟すまでは後半月程でしょうか。
 日を置いてまた、あのムベを見に行かないと。
 もうすこし秋が深まった頃に。あるいは実が熟した頃にかな?

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2021/10/10 号

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