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【煩悩】(ぼんのう)
 〔仏〕(梵語)衆生(しゅじょう)の心身をわずらわし悩ませる一切の妄念。
 貪(とん)・瞋(しん)・痴・慢・疑・見を根本とするが、その種類は多く
 「百八煩悩」「八万四千の煩悩」などといわれる。
 煩悩を断じた境地が悟りである。垢(く)。心垢。結。塵労。
 源氏物語蛍「菩提と煩悩との隔たりなむ、この、人のよしあしきばかりの事
 は、かはりける」。「煩悩を断つ」
   《広辞苑・第六版》

 これを書いているのは2022/12/31。つまり大晦日です。
 大晦日と言えば、一年の内に溜め込んでしまった煩悩を祓うため、108回の
 除夜の鐘が撞かれる日。
 普段は溜めるばかりで意識することのない「煩悩」に思いを馳せるには最適
 な日だなと思いついて取り上げてみました。

 煩悩とは「衆生の心身をわずらわし悩ませる一切の妄念で、百八煩悩、八万
 四千の煩悩などといわれる」とのことです。除夜の鐘撞きの回数から百八煩
 悩の方は知っていましたが、八万四千の煩悩の方は知りませんでした。八万
 四千も煩悩の種類があるとは。人間て煩悩まみれなんですね。そう言われて
 我が身を省みると確かにそれくらいあるかも。煩悩まみれだわ・・・。

 ひとまず私の煩悩の話は置くとして、煩悩を祓うために今夜各地で撞かれる
 だろう除夜の鐘の鐘撞きを行う人のことを考えると、八万四千はちと多すぎ
 ます。一日二十四時間は秒で表せば86400秒ですから、八万四千の煩悩を祓
 うとなると、ほぼ一日中一秒に一回は鐘を撞かなければいけないほどの数。
 鐘を撞く人も大変でしょうし、108回くらいなら

  除夜の鐘だね〜

 と聞き入ることも出来る除夜の鐘の音がただの騒音となって、一年最後の日
 に溜まった煩悩を祓うどころか、最後の日まで煩悩を溜めこむ原因となって
 しまいかねないですから。除夜の鐘の回数が84000回でなくて108回で本当に
 よかった。

 しかし、本当に人間の煩悩は八万四千位あるのかも。生きていく限り一日毎
 に、いえ一秒毎に一つの煩悩が生まれる、そんなものなのかもしれません。
 そういえば、108回撞かれる除夜の鐘も旧年中に撞かれるのは107回で、最後
 の1回は新年に入ってから撞かれるのだとか。煩悩全部を旧年中に祓ってく
 れても良さそうにも思えますが、全ての煩悩を取り去ることは生きている限
 りあり得ないこと。新しい年も煩悩を抱えつつも、生きていかなければいけ
 ないと言うことで、一つだけ残されるのかもしれませんね。

 数限りない煩悩にまみれて生きてきた今年も間もなく終わり。
 煩悩を完全に取り去ることは出来なくとも、せいぜい気をつけて、新年に入
 ってから撞かれる一つの煩悩をあんまり増やすことが無いように気をつけな
 がら、また一年、生きていこうではありませんか。

 では皆さん、よい御年をお迎えください。

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2021/12/31 号

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