【寒の水】(かんのみず)
寒中に汲んだ水。
冬の季語。
《広辞苑・第六版》
小寒と大寒の期間(1/5〜2/3頃)を「寒」といいます。
この期間は一年で一番寒い時期とされていることから、そう呼ばれます。
この寒の時期に汲まれた水が「寒の水」です。
一年で一番寒いこの時期の水は質が良く、柔らかな味でいつまでも腐ること
なく保存出来るといわれました。
寒さの厳しい時期ですので、雑菌の繁殖が抑えられたためでしょうか。
寒の時期に作られた味噌や醤油、酒は「寒仕込み」と呼ばれて、珍重されま
すが、この仕込みに欠かせないものが寒の水。
いつまでも腐ることのない良質な寒の水は、長期保存の必要な味噌や醤油の
製造に適したもなのでしょう。またその柔らかな味わいが酒の味を良くする
のだとも考えられます。
寒中は寒くて辛い時期ですが、寒中の厳しい寒さも上手に付き合えば生活に
役立つものにすることが出来る。古人の知恵には感服しますね。
オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2022/01/06 号
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