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■庚申(こうしん)の日と庚申待ち
 本日は庚申の日。「庚申」が何かについては11/18 から 5回(も!)続けた干
 支(えと)の話をお読み頂いている皆さんにはおわかりですね(読んでいな
 い方はバックナンバー http://koyomi8.com/cgi/magu/ をお読み下さい)。

 さてこの庚申という六十干支の組み合わせに当たる日はちょっと特別な日と
 されていました。古くはこの日「庚申待ち」、「宵庚申」あるいは「庚申祭」
 とよばれる行事が行われていました。

 庚申待ちは中国道教の伝説から生まれた禁忌で、民衆には広く信じられてい
 たようです。
 人間には三尸(さんし)と呼ばれる虫が頭・腹・足にいてその人間の行う悪
 行を監視していると考えられていました。そして庚申の夜、宿主の人間が眠
 ると三尸はこっそり体を抜け出し天帝に宿主の悪行を報告すると考えられて
 いました。

 この三尸の報告を受けた天帝はその内容を評定して、悪行を行った人の寿命
 を縮めると考えられていたため、何とかこの三尸の報告を阻止したいと誰し
 も考えました(「私は何一つ悪いことはしていない」という大嘘つき以外は、
 何か一つや二つ、悪いことをしてしまっているでしょうから)。
 ではどうすれば阻止出来るか。

  「三尸は庚申の夜、宿主が眠ると体を抜け出す」

 がキーポイント。庚申の夜に眠らなければいいんです。
 と言うわけで、この日は村の主だった家に人々が集まり神々を祭り、祭祀の
 あとには、会食し酒盛りをし、夜を徹したと言います。これが庚申待ち(庚
 申の夜が明けるのを待つ、あるいは「庚申の祭り」の意)で、こうした集ま
 りをするグループを、庚申講と言いました。

 庚申待ちは60日に一度。ほぼ二ヶ月に一度巡ってきますから、この庚申待ち
 は三尸の伝説を体よく利用した息抜きの日だったという気もします。
 各地にこの庚申講がたてた庚申塔という石碑が残っていますから、広く行わ
 れた行事であることが判ります。
 
 そして現代、庚申の日の夜も私はきっとメールマガジンの原稿に悪戦苦闘し
 て夜を明かし、結果的に三尸の報告を阻止することに成功していると思いま
 す。天帝様によって寿命を縮められない分、寝不足で体を壊して縮めてしま
 わない程度の夜更かしにとどめたいなと思う本日のかわうそでした。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2006/11/27 号

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