こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■初日の出の話 ・・・ その1
 さて、後半月で新年。
 新年最初にすることはと言えば、皆さんはなんでしょうか?

  「初日の出」を眺め(拝む?)るのが最初

 という方が結構いらっしゃると思います。
 日出没の情報が掲載されていると言うことで、Web の「こよみのページ」も
 毎年この時期になると、いくつかの雑誌に初日の出の情報が得られるサイト
 として紹介されることがあります。

 と言うことで、注目される初日の出の話を、これからの半月間、時々書いて
 みたいと思います。本日が第1回。

◇初日の出フィーバー?
  1年 365日有ると日の出もまた 365回(何時だったか、常識を疑うとしてこ
 のコーナーで書いた、北極圏や南極圏における 365回ではない日の出の話は
 この際忘れてください。日本の話と言うことで)。

 毎日日の出が有り、そのほとんどが意識して眺められることもないのになぜ
 元日の日の出だけがこんなに注目されるのでしょうね。
 昔経験したことですが、「初日の出の情報が○×で手に入ります」とTVニュ
 ースでちょこっと流れたとたん、その○×サイトの1時間のアクセス件数が
 30,000件に跳ね上がったと言うことがありました。注目されてるんだ。

 確かに年の最初の日の出では有りますが、大晦日の日の日の出も正月二日の
 日の出も日の出に関しては違いはないのに?

◇昔から「初日の出」は拝まれてきたのか?
 とある記事を書くため(この記事ではない)江戸時代の正月の様子を調べて
 見たことがあって、「おや?」と思ったことがあります。

 初日の出を有り難く拝んでいる様子がどこかに書いて有るかと思うと、それ
 が全然ないのです?

 今、日本中あちこちでこれほど熱心に行われていることだから、昔の信心深
 い、また時々の節目節目で様々な行事をきっちり(少なくとも今より)と行
 ていた江戸時代の人はもちろんしっかり拝んでいたと思っていたのに。
 では、なぜ初日の出がそれほど注目されなかったのでしょうか。

◇江戸の世と現代との生活時間
 時代劇で時折耳にする言葉、「明け六ッ(あけむつ)」。
 これは当時の一般の人々の生活では一日の始まりを表す言葉。この時間から
 「暮れ六ッ(くれむつ)」までが昼であり、活動の時間と考えられていまし
 た。

 さて、当時の人々の生活の様子を描いた本などを読んで行くとこの明け六ッ
 に人々が「活動を開始」している様子が至る所に発見出来ます。
 どうも、皆さん明け六ッには起き出しているようです。
 日の出に起き出すなんてやはり早起きだったんですね、昔の人は。
 とさらりと書いてしまいたいところですが、

  「ちょっと待った!」

 です。
 明け六ッは日の出では有りません。日の出より早い時間なんです。
 以前夜明け前(日の入り後)の薄明かりの状態を薄明(はくめい)と呼ぶこ
 と、それがどれくらい続くかという話を「秋の日は釣瓶落とし」の話の中で
 採り上げたことが有りましたが、明け六ッはこの薄明となる時間なのです。

 正確には今の「薄明」とは微妙に違うのですが、大体日の出の前36分くらい
 が明け六ッに相当する時間です。
 日の出の前から既に起き出して活動を開始しているなんてことを考えると、
 昔の人は早起きだったんだなと思います(我々が寝坊助かな)。

◇江戸時代の旅行
 江戸時代の旅行と言えば、TVの長寿番組No.1ともいえる水戸黄門の様子を見
 れば判るとおり、「徒歩」。

 昔の方は我々なんぞと違って 1日に30kmを歩くなんてことは珍しいことでは
 なく、健脚の者は十里(40km)も歩いていたりします。
 徒歩としては凄い距離かもしれないですが、それでもたかだか40km。
 電車や自動車でなら 1時間とかからない距離の移動にまる 1日かかった訳で
 す。大変ですね。

◇話の流れが出来たところで
 ようやく話が本題に差し掛かってきました。
 ドラマも山場が近づいてきたと言うところで、

  「つづく」

 の文字が流れるのが連載ものの常套手段。
 長くなってしまったこともあるので、本日のこぼれ話もこの連載ものの常套
 手段をつかって、「つづく」と致します。

 既に書いてきた材料から、なぜ昔はそんなに初日の出が話題にならなかった
 のかを、明日まで皆さんも考えてみてくれませんか?
 ここから先は 明日へつづく・・・・


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2006/12/16 号

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