こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■初日の出の話 ・・・ その2
 さて初日の出の始めとして、江戸の昔の初日の出から書き始めました。と言
 うか、江戸の昔はどうやら初日の出を今のように有り難がる風潮がないこと
 から書き始めたわけです。

 昨日は、江戸の人々の起床時間と旅行の様子を書いて肝心の初日の出まで行
 かずに「なぜ初日の出が今のように有り難がられなかったか」を考えてくだ
 さいとして終わってしまいました(で、考えて頂けた?)。
 本日は、ようやく本題です。

◇初日の出を眺めに行こう!
 「明日は晴れそうだし、△□海岸まで初日の出を眺めに行こう」

 なんて大晦日の夜に思い立つ方もいらっしゃると思います。△□海岸までは
 80kmくらいとすると、正月で渋滞することも考えると車で 3時間くらいは見
 ておこうか何て、道路地図を見ながら考えたりしたことは有りませんか?

 都会の方なら、電車で行くなら○○海岸の方が便利かなんて考えるでしょう
 が、まあ言ってみれば思いつきでも何とかなる小旅行。
 では、これと同じことを江戸時代にしようとしたら・・・。

 江戸時代の人はよく歩き、健脚の人なら一日に十里(40km)も歩いたと言いま
 す。このペースで上記の初日の出を眺める△□海岸までの小旅行を考えてみ
 ましょう。
 △□海岸や○○海岸まで、行きで 2日、帰りに 2日。計 4日。
 
 いくらのんびりした時代とはいえ、行きと帰りで 4日間ではちょっと気軽に
 「初日の出」を拝みに海や山に出かけると言う訳にはいきそうにありません。
 となると、△□海岸への初日の出ツアーは却下。
 代わって近所の丘の上から眺めるかなんてことになりそうです。

◇近所の丘で初日の出!
 さあ、近所の丘の上から初日を眺めるとします。
 近所の丘ですから、空が白み始めてから出かけても充分。
 丘の上から東南の方向を眺めていると程なく、隣町の恵比寿屋と大黒屋の屋
 根の間から有難い初日が登ってきました。イヤー感動的だ。

 眺め終わって、また徒歩数分。自宅に帰って、今日はたいそうきれいな初日
 を見たよ。年に一度くらい早起きして初日を拝むって言うのも良いな。

 なんて話になったかなと思うとここにもまた落とし穴。
 「たまに早起きして朝日を拝む」って、昨日の話じゃ江戸時代の庶民は日の
 出の少し前(36分くらい)の明け六ッにはもう活動開始というのが当たり前だ
 ったと書いています。つまり、朝日を拝むなんていう行為は、日常茶飯事。

 寝坊助の我々現代人にあっては特別の行為も、この時代の人たちには何てこ
 とのない日常の生活。その上、朝日が昇ってくるのはよく知っている町のよ
 く知っている家やお店の屋根の上。ちょっと有り難みが足りない気がします
 (話の上では、出来るだけ目出度くと思い、恵比寿屋さんと大黒屋さんにし
 てみましたけれど)。

 こうしてみると、なんだか我々の感じる初日の出と、江戸の昔の人たちが感
 じたであろう初日の出には違いがあったのではないかとおもいませんか?

 と言うことで、またしても予定量を超過。どんどん予定を超えてこぼれてし
 まう、こぼれ話は、またしても明日へと続きます。ご免なさい。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2006/12/17 号

こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック