こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■冬至と南瓜
 本日は冬至。

 冬至の話題と言えば、暦に関しては山ほど有って全部なんてとても一回で何
 て書き切れません。かといって、今日しかないのに明日も明後日もと言う訳
 にはいかないので、本日は「冬至南瓜(とうじかぼちゃ)」の話だけにして
 おくことにします。残りは来年・再来年に書くことにしましょう。

◇冬至南瓜(とうじかぼちゃ) 
 冬至には南瓜を食べるといいと言う、冬至南瓜の風習は広く行われるもので
 す。私の生まれた東北の片田舎でも、現在住んでいる近畿の片田舎でも冬至
 には南瓜。ただし、食べ方は多少異なっているようですけれど、その辺は小
 さな差異と言うことにして、冬至に南瓜を食べる理由を考えてみましょう。

   南瓜はビタミンAを多く含み、野菜の不足する冬に向けて体力をつけ
   るという意味がある

 のだそうです。これは栄養学的な理由で、よく聞く理由でもあります。
 実際にそうなのかもしれませんが、この栄養学的な理由から冬至南瓜が始ま
 ったと言うのには無理が有りそうです。だって、南瓜は元々は日本にはなか
 った野菜だったのですから。

 南瓜の語源は「カンボジア」だと言うことです。この名の示すようにカンボ
 ジア経由で日本に伝来した舶来野菜です。その伝来は中世以降とのこと。
 現代とは違いますから、輸入されてすぐにその栄養成分が解る訳もなく、こ
 うした「栄養がある」という観点は大分後からでないと生まれないもののは
 ず。ではなぜ冬至南瓜?

◇冬至南瓜の由来は呪(まじな)い?
 南瓜は舶来のなじみのない野菜。尚かつ夏野菜で冬の冬至の時期が旬という
 わけは有りません。このなじみの薄い旬でもない野菜をわざわざ冬至に食べ
 るようになったのでしょうか?
 この謎を解くのは、冬至南瓜を呪いの一種とする見方です。

冬至は「一陽来復」の日。
 陽の気の兆しがようやく見え始めた冬至の日に、

  南方(陽の方向)から渡来した野菜 (名前なんかずばり「南瓜」)
  夏(陽の季節)の野菜
  赤(陽の色)味がかった色の野菜

 である南瓜は、「陽の気を助長する最高の呪物」と考えられたのでは無いか
 と言うものです。
 これは、日本の風習を陰陽五行思想の観点から研究した吉野裕子さんの説。

 ただ、この吉野説でも「わざわざ手に入りにくい野菜である南瓜」が使われ
 たのかという点には疑問が残りますがこの点は、冬至南瓜は「直会(なおら
 い)」の料理なのではないかと考えると説明が出来るように思います。

 神へ供物を捧げ、その供物のお下がりを神とともに食べるという神事にはよ
 く見られる直会の儀式と考えれば、神への供物として舶来の珍しい(つまり
 は、貴重な)野菜をわざわざ選ぶ理由もわかる気がします。この部分はかわ
 うその憶測ですが。


 何はともあれ、本日もまた冬至南瓜を食べて、力を弱めた太陽に早く元気に
 なって頂きましょう。早くしてくれないと寒くてかなわんは、寒がりのかわ
 うその言。太陽がんばれ!!

 なお、この話も含めその他沢山の冬至の話が気になる方はWeb の記事をお読
 み下さい。
  ⇒冬至の話 ( http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0748.htm )


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2006/12/22 号

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