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■真太陽時と平均太陽時 ・・・ その1
 冬至の頃になると時々話題になるのが、

  A.日(昼)が一番短くなる日
  B.日の出の一番遅くなる日
  C.日の入が一番早くなる日

 と言う問題。Aは「冬至の日」が正解で今年ですと12/22 。
 B,Cは自明で日が一番短くなるAの日だからこれも冬至の日・・・かとい
 うと実際は違っています。日付で書くと、

 A.12/22(冬至), B.1/7 , C.12/6 (何れも35N,135Eの2006の計算値)

 です。なぜこのようなことが起こるのかというとこれは均時差と呼ばれる現
 象が有るから(記事末尾※1参照)です。上記のように、日の入が一番早く
 なるのは冬至の半月ほど前です(上述のCのこと)。

 最近とある諺を調べることがあって、それらしい諺とその意味・用法などを
 インターネットで調べていると、行き当たる解説がほとんど

  「このCの現象は昔から知られていたからこの諺が生まれた」

 と結論していました。均時差と言う言葉も使われていることが有るのですが、
 「この現象は昔から知られていた」の表現が引っかかってしまいます。

 なぜかというと、日の入の時刻が一番早くなる日が冬至と違という現象は、
 明治時代の中頃以降の話で、それ以前は日の入りが一番早まる日は冬至だっ
 たからなのです。なぜそうなるかは本日の話、真太陽時と平均太陽時と関係
 します。

◇真太陽時(視太陽時)
 我々の常識では、

 「太陽は正午に、真南にありその高度も一日で一番高い」

 と言うことになっています。基本的にはこれが我々が日常使う太陽に基づい
 た時刻系、太陽時の基準となります。太陽中心が真南に来て(これを太陽の
 南中と言います)、翌日再び南中するまでの時間が 1日でこれを24等分した
 ものが 1時間。
 こうして決まった 1日、 1時間は正確には真太陽日、真太陽時と言います。
 (または視太陽日、視太陽時とも言いますが以後は「真」と使います。)

 太陽が真南を通過する時刻を計れば、その日の正午が解りますから非常に簡
 単で解りやすい。またこの真太陽時では、

  日の出〜正午までの時間 = 正午〜日の入までの時間

 と言う関係になります(厳密にはわずかに違いが生じますが、今回の話の本
 質には関わらないので「=」として進めます)。
 つまり真太陽時を用いると、冒頭に掲げたA,B,Cの日付は何れも同じ日、
 冬至の日になるのです。

 この真太陽時は解りやすい反面その長さ(1日、1時間の)が季節によって変
 化する欠点を持っています。ただしその差は、 1日の長さで最大30秒以内程
 度のものですから正確な時計が生まれるまでは気が付かれることもありませ
 んでした。

 よって、この真太陽時はごく最近(百年とちょっと前まで)まで、使われて
 いました。


 真太陽時と平均太陽時の話を書き始めましたが、この時点で大分分量超過気
 味。と言うことで、本日は真太陽時の説明でひとまず終了。平均太陽時の説
 明はまた明日とさせて頂きます。

 ※1 参考サイト 冬至は一年で一番日の出の遅い日か・・・均時差の話
          ⇒ http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0508.htm

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2006/12/26 号

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