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■真太陽時と平均太陽時 ・・・ その2
 昨日に引き続き真太陽時と平均太陽時の話。
 話の発端は、

  A.日(昼)が一番短くなる日
  B.日の出の一番遅くなる日
  C.日の入が一番早くなる日

 の問題から。昨日は真太陽時の説明まででしたので本日は平均太陽時の話か
 ら始めます。

◇平均太陽時
 正確な時計が作られるようになると、真太陽時の季節による 1日、 1時間の
 長さの変化が気になるようになります。時計を正確に作れば作るほど、その
 差が気になります(とはいえ、1年経てばまた元に戻るのですが)。

 そこで考えられたのがこの平均太陽時です。要するに季節毎にちょっとだけ
 変わってしまう真太陽時の長さを 1年を通して平均し、同じ長さで使い続け
 ようという訳です。

 真太陽時から平均太陽時への切り替えは18世紀中頃から始まり、日本におい
 ては、明治13年(AD1880)からです(ただし、現在とはちょっと違う東京にお
 ける「地方平均時」でした)。現在使われている時刻と同じように日本中が
 同じ時刻(日本標準時)を使うようになるのは明治21年(AD1888)のこと。

 実生活への浸透には更に何年か、何十年かかかったことでしょうから、我々
 が当たり前に使っている現在の時刻系が日本に定着したのは、ほんの 100年
 前のことと言うことになります。

 (一般の家庭に、真太陽時と平均太陽時の差が解る、つまり 1日に30秒以下
  の狂いしかない時計が普及したのはと考えると、これは20〜30年くらい前?
  本当にごく最近ですね)

◇均時差(きんじさ)とは
 冒頭のA,B,Cが異なる日付となる原因となる均時差は、真太陽時と平均
 太陽時の差が蓄積したもので、最大で17分程にも達します(11月上旬が最大)。

 冬至や夏至の頃というのは、 1日の昼の長さの変化が小さい時期なので、日
 の長さの変化より均時差の変化の方が大きくなってしまい、そのため例えば
 12月の中旬は日の長さが短くなりつつ有るにもかかわらず、日の入りの時刻
 は次第に遅くなって行くように見えるのです。

◇諺と均時差
 既に述べた通り、冒頭のA,B,Cが異なるようになるのは平均太陽時を使
 うようになって以後の話であり、それ以前の時代には見られない現象でした。

 話の発端となった諺について、インターネットなどで見かけるサイトのほと
 んどがその諺が生まれた理由としてあげていた

  「日の入が一番早くなるのは冬至より前の時期である」

 から考えると、この諺はせいぜい生まれて 100年という、諺としてはかなり
 若い部類だと言うことになります。とすれば「昔の人は知っていて、今の人
 間はそうしたことに疎い」なんて言い方をするとおかしなことになってしま
 いますね。だって、今の人間の時代になるまで気付くはずの無い現象なんで
 すからね。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2006/12/27 号

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