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■鶏とやにつく? ・・・ 七十二候の内容について
 昨日(1/29)から七十二候(しちじゅうにこう)の最後となる大寒の末候、
 「鶏とやにつく」に入りました。

  「鶏とやにつくって、どんな意味ですか?」

 という御質問を頂きました。確かに解りにくいですね。
 七十二候は二十四節気を更に、初候・次候・末候と分けたもので細かく風物
 によって季節を細かく分けたものです。

 元々は中国で生まれたものですが、日本に入ってからはそのままでは日本の
 季節や風土に合わない言葉が多かったため、日本独自に作り直されています。
 日本で作り直された七十二候を、それがはっきり解るように

  本朝 七十二候

 と区別して呼ぶことがあります。
 二十四節気の一つ一つの期間は約15日。
 それを更に三分割していますから、一つ一つの候は 5日程。ここまで細かく
 してしまうと、果たして役に立つのだろうかと云う気がしますね。
 さて、本題に戻って「鶏とやにつく」の言葉の意味です。

 この語が取り入れられたのは、日本独自の暦である貞享暦から。それ以前に
 使われていた宣明暦(中国から輸入された暦法)までは

  水沢腹堅 (すいたく あつくかたし)

 でした。実は「鶏とやにつく」のもととなった言葉は宣明暦にもありました
 が、これは別の候(大寒の初候)に使われていて、次のような文字が使われ
 ていました。

  宣明暦大寒初候 雞始乳 (にわとり はじめてにゅうす)

 意味は、

  「鶏が春の気を感じて交尾し、卵を産み始める時期」

 という意味です。貞享暦での文字はと云うと「鶏始乳(にわとりはじめてに
 ゅうす)」ですが、「にゅうす」では音から意味がとれないためか、のちに
 此を「にわとりはじめてとやにつく」と読むようになりました。

 ここで、「とやにつく」は「鳥屋につく」の意味でしょう。鳥が産卵のため
 に巣に籠もると云う意味です。漢字の意味から意訳てきに読み下したと云う
 ところです。

  鶏始めて鳥屋につく

 とした方が解りやすかったですね。でも「鳥屋につく」という言葉が「産卵
 のために巣に籠もる」とう意味だというのも、あまり一般的ではないでしょ
 うけれど。

 七十二候には同じようにというか、更にと云うか不思議な言葉が沢山ありま
 すので、解りにくい言葉についてはまた採り上げて行きたいと思います。
 ではまた。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/01/31 号

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