こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■記念日考 ・・・ その2
 昨日(2/19)号では、2007/2/19(旧暦では 2007/1/2)生まれの人の翌年の誕
 生日はいつかという話から、旧暦を未だに使うことの多い国や地方では新暦
 と旧暦の二つの誕生日があることを書きました。そして例とした人の「来年
 の誕生日」までの 1年の日数が、新暦では365日、旧暦では354日と違ってい
 ることが二つの誕生日が生まれる理由だとも述べました。

  1年の日数が365日と354日と違っているのですから「 1年後の誕生日」が異
 なってしまうのは当たり前です。こうした説明をした場合、往々にして次の
 質問が追加されます。

  「 1年が365日と354日とではどちらが正しいのですか」

 どちらが正しいのかと言われると迷う部分もあるのですが、「どちらが正し
 いのか」という質問の裏には「どちらかが間違っている」という考えがある
 と考えると、「どちらも間違いではありません」とは、自信をもって答える
 ことが出来ます。


◇天文学的・暦学的な「1年」とは
 皆さんは既にご存じのことでしょうが、新暦は太陽暦、旧暦は太陰太陽暦と
いう暦です。この二つの暦からみた2007/2/19(旧暦では 1/2)はどんな日で
しょうか?
   2007/02/19(正午)・・・太陽視黄経 330.0度,月齢  1.4

 では、翌年の新暦(2/19)と旧暦(1/2)の誕生日ではいかがでしょうか?
  a.新暦2008年の誕生日・・・太陽視黄経 329.8度,月齢 12.0
  b.旧暦2008年の誕生日・・・太陽視黄経 318.6度,月齢  0.8

 太陽暦は太陽の位置(太陽視黄経)を基準に組み立てられた暦、太陰太陽暦
 は月の満ち欠け(大雑把に言えば、「月齢」ともいえます)を主に、太陽の
 位置を従にして決められた暦です。そうした暦の組み立てから考えて改めて
 前述の数値を見ると、

  新暦(太陽暦)の誕生日の太陽視黄経は 330.0度と329.8度で、ほぼ一致。
  旧暦(太陰太陽暦)の誕生日の月齢は、1.4と0.8とほぼ一致。

 と暦が重視する数値はきちんと一致しています。
 この人の誕生日は旧暦では、いつも新月直後で月は見えないか、細い細い月
 がほんのちょっとだけ見える日です。太陽の視黄経は・・・ちょっと見ただ
 けでは解らないので、この辺は天文学者の計算を信じてください。


◇私たちの考える「1年」とは?
 さて新暦旧暦の誕生日が天文学的(?)にはどんな日かを見てみましたが、
 皆さんは自分の誕生日が天文学的にどんな日だかを意識したことがあります
 か? 普通はそんなことを意識せずに 1年ごとに誕生日を祝っていますよね?
 では私たちは、どうやって年毎の誕生日を知るのでしょうか?
 考えてみてください。

   ・・・・ 考え中 ・・・ 考え中 ・・・・

 答えが出ましたか? 解った人も解らなかった人もいたと思いますが、この
 問題は難しい問題ではなくて、いわゆる引っかけ問題の類です。私の答えは、

  「カレンダーの日付で誕生日を知ります」

 です。いかがですか?

 天文学的には、それぞれの日に太陽視黄経や月齢を示すことは出来ますが、
 我々はそれを意識して 1年後の誕生日を考えているわけではなく、カレンダ
 ーとしてできあがったものの同じ月日がやってくる毎に 「1年が過ぎた」と
 考えるわけです。

 もし仮に、日本中(できれば、中国や韓国の協力も取り付けて)来年の旧暦
 の日付を本来の日付から 1日だけずらした日付の旧暦本を発行したとします。
 もちろん、こよみのページも協力して 1日ずらしていることにします。
 さてこうなったときに

  「あれ、私の(旧暦の)誕生日が 1日ずれている」

 と気付く人がどれくらいいるでしょうか? 皆無とは言いませんが、皆無に
 近いとは言えるでしょう。

 同様のことを新暦で行うと、新暦の場合月の数や月ごとの日数が毎年同じ
 (うるう年の 2月だけ例外)になる単純な仕組みなので、「あれ?」とごま
 かしがばれる確率はぐっと上がると思いますが、うっかりした何割かの人は
 引っかかると思います。

 この後も続く記念日考ですが、一回分にしてはあまりに長くなりすぎました
 のでやや中途半端ながら本日はこの辺で終了。次回に続きます。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/02/20 号

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