こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■記念日考 ・・・ その3
◇改暦で誕生日も変わる
 昨日は、最後に本当の暦が解っていてそれを仮に 1日ずらしてしまったらと
 いうあり得ない例から、そうなった場合どのようなことが起こるかを考えて
 みました。結論として、暦の記述が1日ずれているとしてもほとんどの人は
 ずれていることにも気が付かずに終わるだろうということでした。

 これはあり得ないことのようですが、「改暦」というのは、暦を作る際の約
 束事を変えることですから、例のようなあり得ないことが、起こります。

 明治改暦は、太陰太陽暦から太陽暦へという史上希に見る大改暦でしたから
 一般庶民にも、

  今年の暦は、去年までと全然違う!

 と解りましたが、太陰太陽暦から新しい太陰太陽暦へといった改暦だと暦が
 変わっても一般庶民がそれに気付くことはまずありません。日本には明治以
 前にも何度も改暦(太陰太陽暦から太陰太陽暦への)が為されていましたが、
 それで誕生日や命日が昔の定義とは微妙に違ったものとなってしまっても、
 それが「暦の上で同じ日付」である限り誰もそれが問題だとは思わなかった
 はずです。


◇日常に使う暦日と天文学的な暦日は別物
 現在の日本の車は非常に高性能。故障も少ない。それでもメーカーの技術者
 達は日夜改良を繰り返して、より高性能・高信頼の製品を作り、「新製品」
 として送り出しています。

 ですが、「車は通勤通学の足」としてしか認識していない私のようなものに
 は、去年のモデルと今年のモデルの違いは色や形の差くらいしか判りません。
 頑張って、性能や信頼性の向上に努力した技術者には申し訳ありませんが、
 エンドユーザーなんて大部分はこんなものでしょう。

 暦についても同じ。その仕組みや実際の計算方法は厳密に定められ、間違い
 なく計算されていて、定数や理論が改良されれば、修正しているのですが、
 その高度な計算結果として生まれた「カレンダー」を利用するものにはそん
 な話は、関係ありません。

  来年の私の誕生日は何曜日かな、あ土曜日か。

 とカレンダーをめくって確認出来さえすればそれでよく、その月日の意味を
 問うことはありません。そして記念日の多くは、その時に使っていた暦(と
 いうよりカレンダー?)の月日だけで決められますから、カレンダーが二つ
 あれば、二つの記念日が出来てしまって当然というわけです。


◇月日に固定された記念日と改暦
 誕生日は誰しも「○月△日生まれ」のように月日で覚えていることでしょう。
 そして、毎年カレンダーの日付がその○月△日になったときに誕生日を祝う
 というのが普通ですね。このように月日に固定された記念日は改暦で暦の月
 日がずれてしまっても、新しい暦に示される月日でそのまま行うという考え
 方があります。

 例えば、元日は1/1,上巳の節供(雛祭り)は 3/3と言った具合です。
 旧暦時代は旧暦の1/1,3/3 で行われ、現在は新暦の1/1,3/3 と暦の月日にあ
 った日を記念日と考えるものです。

 この「記念日考」の発端となった西行忌もこの例で、西行が亡くなったのは
 旧暦時代の2/16ですが、西行忌と言えば現在も2/16。これによって、桜は咲
 かないのでは・・・といった心配も生まれるわけですが、桜は季節に合わせ
 て咲き、西行忌は暦(新暦)の月日なので、ずれてしまったように感じるわ
 けです。

 さ、本日は庶民感覚からの「記念日考」でした。いかがでしょうか?
 記念日考には、このように例の月日に固定されたものの他に、季節に固定し
 たものや月の満ち欠けに関連するものなどあり、これについてもまた考える
 必要がありますが、これはまた次回。

 記念日考の連載も長くなってきたので、少し間をおいて見ようかと思います。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/02/21 号

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