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■記念日考 ・・・ その4(西暦との関係)
 記念日考も本日で四回目となりました(中休み 2日をいただきました)。
 本日からは、日本の暦(和暦と書かせて頂きます)と西暦との関係について
 考えてみたいと思います。

 記念日考の発端となった西行忌の日付についてもう一度思い出して頂きまし
 ょう。

  ア. 2月15日 ・・・ イと涅槃会(二月十五日)などとの複合から
  イ. 2月16日 ・・・ 西行の命日「文治六年二月十六日」から
  ウ. 3月23日 ・・・ イの日付をユリウス暦に置き換えたもの
  エ. 3月30日 ・・・ イの日付をグレゴリウス暦に置き換えたもの

 ア、イは和暦でも2/15と2/16と二つありますが、これは「二つの西行忌」と
 して既に説明したお通り(日刊☆こよみのページ 2007/2/15号参照)ですの
 でここからは実際に亡くなったとされる2/16の日付を和暦による西行忌とし
 て話を進めます。

 西行の命日文治六年二月十六日を西暦の日付に直したものが本によって、ウ
 ・エの様に二通り有ることがあります。
 理由は、それぞれの説明に有るとおり「ユリウス暦」に置き換えたものなの
 か、「グレゴリウス暦」に置き換えたものなのかという違いです。
 暦が違うのは解るとして、なぜ二つの暦が登場するのでしょうか?

◇西洋における改暦
 現在我々が使っているいわゆる新暦は「グレゴリウス暦」です(「グレゴリ
 オ暦」とも)が、日本に何度も改暦があったように、西洋にも改暦は有り、
 グレゴリウス暦の前に使われていた暦がユリウス暦です。

 つまりユリウス暦は西洋の「旧暦」であり、グレゴリウス暦は「新暦」とい
 うことになりますが、日本と事情の違うのは、西洋の場合ユリウス暦もグレ
 ゴリウス暦もどちらも太陽暦で、仕組みは非常に似ていると言うことです。

 ユリウス暦とグレゴリウス暦の目に見える違いはといえば、閏日が 4年毎に
 必ず入るか否かということ。グレゴリウス暦は 400年の間に 3回だけ、 4年
 毎の閏日が間引かれることがあるという違いがあります。

 短期間ではユリウス暦でも問題ないのですが、数百年〜千年も経つと暦と季
 節にずれが生じてしまい、その結果改暦となったものです。
 改暦はAD1582年の10月。この時期に、それまで、千年以上をかけてずれた暦
 と季節のずれをキャンセルするために、一気に10日間、日付をとばしてしま
 うという操作がなされ、改暦前後で日付が不連続になっています。

◇和暦の旧暦とユリウス暦
 さて、前段で説明したとおり1582年より前にはグレゴリウス暦は存在してい
 ませんから、それより古い時代の出来事を西洋の暦日と対照したい時には、
 和暦から西暦への変換といえば、ユリウス暦への変換ということになります。
 たとえば、日本で最初にクリスマス行事が行われた日の日付についての記述
 が次のサイトにあります。

  日本のクリスマスは山口から( http://www.fmy.co.jp/xmas/ )

 このサイトの記事によれば、天文二十一年(1552)十二月九日に山口の司祭館
 に宣教師コメス・デ・トルレスが日本人信徒を招いてクリスマスを行ったの
 が日本のクリスマスの始まりだというのです。

 では、本当にそれは正しいのかと確認するため当時使われていた和暦の月日
 (1552年)12月 9日を1582年前にヨーロッパで使われていたユリウス暦に変換
 すると、結果は

  天文21年12月 9日 = 1552年12月24日 (ユリウス暦)

 となり、宣教師が正しくクリスマスイブの晩に人々を招いたことが確認出来
 ました。

 と無事、ユリウス暦の使用例を説明したところで今回の暦日考その4を終了
 致します。続きはまた次回に。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/02/24 号

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