こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■彼岸(ひがん)
 本日は、彼岸の入りです。彼岸は春分の日とその前後前 3日の計 7日間。今
 年は3/18〜24が彼岸の期間。彼岸の中日にあたる春分の日は3/21です。

 彼岸は暦の上では「雑節(ざっせつ)」に分類されます。雑節とは中国から
 暦が輸入された当時には無かったものですが、日本の生活の上で重要な年中
 行事や気候の目安となるものが取り入れられたものです。雑節はつまり日本
 生まれだと言うことになります。

 雑節や二十四節気まで暦注思っている方がいらっしゃるのですが、二十四節
 気や雑節は暦注ではありませんのでお気を付けて。


◇彼岸とは
 彼岸は仏教用語。元々梵語の波羅蜜多(はらみつた)を漢訳した到彼岸(と
 うひがん)のことです。
 煩悩に満ちた此方の世界(「此岸(しがん)」)から解脱した彼方の悟りの
 世界、涅槃を指します。こちら(此方)の岸とあちら(彼方)の岸という意
 味で此岸と彼岸です。

 既に無くなった先祖は煩悩に煩わされることのない涅槃の世界(彼岸)にい
 ると考えて、彼岸の日に先祖を敬う法要を行うようになり、この彼岸会が現
 在の彼岸の行事の元になりました。記録に残る最初の彼岸会は大同元年(AD
  806年)のことです。

 彼岸会はこのように仏教行事ではあるのですが不思議なことに他の仏教国に
 は無い日本独特のものだそうです。


◇彼岸はどうしてが暦に載るの?
 昔(彼岸会の)談義説法は比叡山の坂本に限って行われていました。都鄙の
 人々はこの説法を聞きたいがために群れ集うのだが、その年の彼岸の日付が
 よくわからないので人々が難儀するからと、比叡山からの要請があって、こ
 れを暦に載せるようになった。

 彼岸会の説法が聞きたいがために人々が群れ集うなんて、今から考えると不
 思議な感じですね。


◇彼岸と春分の日
 彼岸は、春分の日・秋分の日(秋の場合は「秋彼岸」といいます)と関係が
 深い行事ですが、これには、春分、秋分の日が

  1.昼と夜の長さが等しくなる日
  2.太陽が真西に沈む日

 であるということと関係があります。

 昼と夜の長さが等しいということは、仏教の説く中道の精神を表すのだとい
 います(実際の昼夜等分の日が春分の日・秋分の日と一致しないことに関し
 ては、3/16号のこぼれ話をお読み下さい)。

 次ぎに、太陽が真西に沈む点ですが、これは涅槃の世界(浄土)が西にある
 という「西方浄土」の考えと関係します。
 春分の日、太陽が沈む方向は西方浄土を示しているわけですから、沈む太陽
 に向かってまっすぐに進んでゆけばいつか必ず涅槃に到達出来るはずという
 ことです。

◇お墓参り
 昔から、彼岸には先祖の霊を敬い墓参りをする風習があります。彼岸がもと
 もと先祖を敬う法要であった彼岸会から始まったことを考えるとこれは当然
 という気がしますね。

 地方によりものは異なることがあるのですが、ぼた餅、おはぎ、団子、海苔
 巻き、いなり寿司などを仏壇に供え、家族でもこれを食すといった風習も多
 く残っています。
 私は、春分の日に墓参り(+ぼた餅)の予定ですが、さてみなさんは?


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/03/18 号

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