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■暦注の話 ・・・ 九星(4)
 すっかり忘れた頃の九星の話の 4回目です(前回は3/17でした)。
 年家九星、月家九星と来ましたので当然本日は「日家九星」です。

◇日家九星(にっかきゅうせい)
 年家九星も月家九星も単純な循環(陰遁)で巡ってきます。
  一白 → 九紫 → 八白 → 七赤 ・・・・
 という巡りです。

 これだと基点となる年・月が分かれば後は紙と鉛筆があればOK。出来れば電
 卓もあればさらに簡単です。
 ついでですので九星(2)、(3)を思い出して書けば、手近な始点は
  年家九星・・・1864年  (節切りの年)
  月家九星・・・1863年11月(節切りの月)
 です。

◇日家九星の巡り
 日家九星は年家九星や月家九星と違って 180日毎に巡る方向が変化します。

   陽遁(ようとん): 一白 → 二黒 → 三碧 ・・・・
   陰遁(いんとん): 九紫 → 八白 → 七赤 ・・・・

 というのがそれです(中には、ずっと陰遁だけという流派もあるそうですが
 今回はスタンダードな方式に沿って説明します)。
 180 日ごとに切り替わると書きましたが、ではどのタイミングで切り替わる
 のかというと、

   夏至・冬至に最も近い甲子の日
   (夏至に近い甲子からは陰遁。冬至に近い甲子からは陽遁の巡り)

 に切り替わります。ですから計算したい場合はまずは夏至・冬至の日付を計
 算しないといけないことになります。
 180 日ごとに切り替わると書きましたが、この 180という数字は年家九星で
 書いた、九星と六十干支の組み合わせが一巡して完全に元に戻る周期です。
 (2007/3/15号参照)

 この一巡の 180日が偶然にも一年の日数のほぼ半分であることから、何か意
 味があると考えたのでしょう。そして、太陽に連動した季節の変化の関係か
 ら、太陽が徐々に高く昇るようになり始め、寒い時期から暖かい時期に向か
 う冬至付近に陰遁から陽遁への切り替え時期を起き、逆の夏至には陰遁への
 切り替えを置くように考えたのでしょう。

 昔の人の「素朴な宇宙観」みたいなものがほの見えますね。


◇日家九星の「閏」
 180 日ごとに陽遁と陰遁が切り替わるだけなら、年家九星等と同じく基点さ
 え分かればあとは順に追いかけていけば日家九星が求められそうですが、そ
 うはいかない事情があります。

 陽遁から陰遁、陰遁から陽遁へと切り替わる(転遁)時期は、「夏至または
 冬至に最も近い甲子の日」と書きました。例えば冬至から次の冬至までの期
 間は何日あるでしょうか?
 この長さは一年の長さですから、約365.25日です。

 これに対して陽遁と陰遁は 180日ごとに切り替わり、一回りするのに要する
 日数は、

   180 × 2 = 360(日)

 です。一年との長さの差は約5.25日。
 「夏至または冬至に最も近い甲子の日」に転遁するとすると、この甲子の日
 は夏至または冬至から29日以内にある必要があります。

 最初はそうやって日家九星の基点を決めたとしても、一年との差の5.25日が
 ありますから、転遁するべき甲子の日は年ごとに5.25日前進し、29日以内の
 条件を満たさなくなってしまいます。

 最初に日家九星を考えた人が「夏至または冬至に最も近い」なんて意味があ
 るように見えるもっともらしい条件をつけてしまったため面倒なことが起こ
 ってしまいました。日家九星を思いついたときにこの「面倒」に気が付かな
 かったのでしょうかね?

 気が付いていたのかいなかったのかは分かりませんが、いずれにしても面倒
 なことは起こってしまいました。そして仕方がないので日家九星には、「閏
 (うるう)」が導入されることになりました。

 さて閏の計算ですが・・・と書き出したら長引きそうですね。後半の話はま
 た明日に持ち越しておくことにしましょう。
 ということで、本日はこれまで。話は明日へと続きます。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/03/26 号

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