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■土用の入り
 本日は土用(春)の入りです。
 土用というと、夏の「土用丑の日」の土用しか思い浮かばない方も多いと思
 いますが本来、土用は四季それぞれの間に挿入された期間で、つまり年 4回
 有ります。
 今回の土用は、春と夏の間の土用と言うことになります。


◇土用の意味
 土用はもともと、土旺用事(どおうようじ)と言ったものが省略されたもの
 です。土用の「土」は五行説の土、「旺」は旺盛という言葉でも分かるとお
 り盛んな様です。つまり土用とは五行説の土気が大変に強い時期という意味
 です。五行説では四季はそれぞれ次の性質を持つと考えられています。

  春:木気  夏:火気  秋:金気  冬:水気

 四季と五行ですから、五行の一つが四季には割り当てられません。仕方がな
 いので、余った土気は均等にそれぞれの季節の間に挿入するようになったの
 が土用です。


◇土用の期間
 昔は、立春・立夏・立秋・立冬の直前の18日間を土用としていましたが、現
 在は二十四節気などと同じで、太陽の位置(視黄経)を基準として入りの日
 が決まります。

  土用の入りの基準の太陽視黄経: 27° , 117° , 207° , 297°

 今日はこのうちの27°となった瞬間を含む日ということでの土用の入りとな
 りました。終わりはといえば、「立春・・・の直前まで」なので、立春等の
 前日が最終日ということになります。


◇土用の意味(五行説的)
 季節にはそれぞれ五行的な性質が有ると考えられていたと書きましたが、で
 は土用はどういう意味があるのでしょうか?

 それは季節と季節の緩衝材であり、かつ季節の交代を円滑に行うための潤滑
 油といった意味です。
 性質の違うものがある日を境に急に入れ替わるというのは、考えにくい現象
 です。ここまでが春でここからが夏なんて、季節がある日を境に変わるわけ
 ではありません(暦の立春などは、あくまで季節の目安の日)。

 季節と季節は、緩やかに交代してゆくのだと考えて、その交代の期間を土用
 と考えたのです。生き物は死ぬと土に返り、その土から新しい芽が芽吹くよ
 うに、土気には死と再生を円滑に行う性質が有ると考えたものだと考えられ
 ます。


◇土用に関する迷信・・・土用と間日
 昔の人は、土用の期間は土公神(どくじん)といわれる土を司る神の支配す
 る時期と考え、この期間に土を動かす作業(柱立て、基礎工事、壁塗り、井
 戸掘りなど)を忌みました。
 ところが土用の期間というのはおよそ72日間(18×4=72)、 1年の 1/5有り
 ます。

  1年の 1/5の期間が「基礎工事などしてはいけない期間」ではこれは実生活
 に影響が出てしまいます(というか、大弱りです)。そこで考え出されたの
 が、「土用の間日(まび)」と言う考え。

 この間日の間は土公神が地上を離れるので、土を動かしても問題ないとされ
 ました。この間日は、季節と日の十二支で決まり、一つの土用の期間に 3〜
  6日の間日が出来ます。工事をするならこの期間。この期間なら障り無しと
 いうわけです。

 なかなか、「ご都合主義」ですね。


 土用の迷信の箇所で書いたことは昔のことだと思っていたら今でも工事関係
 者や、農業を行っている方々の間ではこれを気にしている方も多いとうかが
 いました。
 今年の間日が知りたいという方は、Web こよみのページの次のページで知る
 ことが出来ますのでお試しください。

  土用と間日 http://koyomi8.com/sub/doyou.htm

 さて、いよいよ春の土用。春ももうすぐ終わりという時期なんですね。



  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/04/17 号

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