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■受死日 (じゅしにち)
 久々に、暦注の話です。
 本日の暦のデータを見ると「受死日」と書かれています。
 「○○易断△△運勢暦」なんていう類の暦というか占いの本には、「●」と
 だけ書かれているのがこの「受死日」のこと。
 受死日とは、字面を見るだけでなんだか恐ろしげです。さてこの恐ろしい暦
 注はどんなものか、調べてみましょう。

◇受死日は下段にあり
 昔の暦には、
  上段には、日付・日の干支。
  中段には、雑節や十二直、納音(なっちん)など
  下段には、沢山のいかにも迷信という暦注の数々
 が並んでいました。受死日はこの一番下の下段に書かれているものでした。

 この暦の一番下の部分は、まさに暦注の嵐、迷信の嵐で、ここに書かれた多
 くの暦注の総称として「下段」とも呼びます。

◇受死日の意味
 受死日は大悪日。最悪の日とされる。葬式は行っても良いが、それ以外は何
 をするにも悪い日といいます。この日に病を得れば死に至る人もいわれて、
 こうした話を信じる人には畏れられた日です。

 とっても悪い日なので、この日は他の暦注が有ってもその効力は総て失われ、
 この受死日の力で覆われるといわれました。だれがこんなことを言い出した
 のかは記録にこそ残っていませんが、もちろん「受死日」という悪日を発明
 した人に間違いは有りませんね。

 自分の発明した悪日の効力が一番で、他の暦注は一切考慮する必要がないな
 んてなんて手前味噌(?)もいいところ。
 御都合主義な解釈ではないですか。
 でも「大悪日」なんて言い切られてしまうとなんだか不安になってしまうも
 の。信じる人は信じてしまうのですね。恐い恐い(いろんな意味で)。

◇受死日はどうして決まる?
 受死日の決め方(撰日法)は、節切りの月と日の十二支によって決まります。
 この決め方は、暦注の撰日法の王道ですね。
 どう決まっているかというと

  正月→戌の日、 二月→辰の日、 三月→亥の日、 四月→巳の日
  五月→子の日、 六月→午の日、 七月→丑の日、 八月→未の日
  九月→寅の日、 十月→申の日、十一月→卯の日、十二月→酉の日

 今日は節切りの暦では四月、日の干支は辛巳ということで巳の日。よって受
 死日となるわけです。
 この方法で受死日が決まりますから、およそ30日間に 2回から 3回の受死日
 が出来ることになります。病気になると死に至るような怖い日がこんなにあ
 るとは大変。おちおち風邪もひけませんね。

 でも、考えてみると私は今までの人生で風邪くらいなら何度かこの日にひい
 たことがあるのではないでしょうか、いやきっとひいているはず。
 それなのに未だ死んだことが無いのはどうしたことでしょうか?
 「この日に病を得れば死に至る」なんて、嘘っぱちなの?

 いや、もしかしたら「死に至る」という言葉には、無事に天寿を全うした後
 の大往生まで含まれるのでしょうか?
 人間誰しも最低一回(最高でも一回?)は死にますから、そういう意味なら
 受死日のいう「この日に病を得れば死に至る」は間違ってはいませんね。

 こんな風に考えると、怖い恐い受死日の話も笑い話になりますね。
 では今日は楽しく笑って「受死日」を迎えてみるといたしますか。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/05/23 号

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