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■一年はなぜ十二ヶ月?
 どこかでこんな話をしたような気がします。
 探してみると2006/11/19に「干支の話」でちょっと採り上げていました。
 繰り返しになる部分も有ると思いますが、お付き合い下さい。


◇一年が十二ヶ月のわけ
 ことの始まりは、Web こよみのページに送られてきた質問から。

  「なぜ一年は十二ヶ月か」

 から。よく寄せられる質問(FAQ) と言えるものです。
 Web こよみのページにFAQ コーナーがあり、この質問もこの中に含まれてい
 ます。その文章を引用すれば次の通り、

  Q:1年が12ヶ月なのははぜ?

  A:人類が最初に作った暦が太陰暦だったという名残です。
    月の満ち欠けは1年におよそ、 12.37回。月の満ち欠けという目立つ
    現象が12回繰り返されると1年がすぎたと、気づくことから暦は始ま
    ったといえるでしょうね。

 答えとしてはこの通り。
 逆の見方をすれば、独立に生まれたと思われる世界各地の暦のほとんどが、
 この 1年を12ヶ月に分けているという事実が、どこの地域でも天体と結びつ
 けられて作られた最初の暦は「太陰暦」であったことを物語っているとも言
 えます。

 記録に残る限り遡っても「太陽暦」(本当はシリウス恒星暦という方が正し
 いか?)であるエジプトの暦も、一月を30日、一年を12ヶ月とすることを基
 本としていることを見ると、記録に残る以前の時代には太陰暦を使っていた
 ことが有ったという痕跡だと思われます。


◇十二ヶ月と十二支
  子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
 と続く十二支は、現在は生まれ年を示すのに使われるだけに成りつつありま
 すが、その始まりは12ヶ月の各月の順番を示す記号として生まれたものです。

 この「子・丑・寅・・・」は当初は現在の十二支神獣として知られる動物と
 はなんの関係もない順序を表す記号。「一・二・三・・・」というのと同じ
 ようなものでした(ただし、「月」の順番だけに用いられた特殊なもの)。
 文字そのものは、植物の生長の段階を順に表したものと言われます。

 十二支の生まれは大層古く、中国の殷の時代には既に使われていたと言いま
 す。現在なじみとなっている十二支の各動物との関係が出来たのはこれより
 はずっと遅く、漢の時代には言ってから。
 これは、難しい暦の暦月記号を庶民にも判りやすくするために、なじみのあ
 る動物になぞらえて説明するようになったからといいます。

 日本に暦が輸入されるのはこれよりずっと後のことですから、日本に暦が届
 いた頃には既に、

  十二支=十二神獣

 となっていました。現在は月に十二支を配することは希になりましたが、昨
 日のこのコーナーで説明した「月建(げっけん)」などでは使われ続けてい
 ます。ちなみに現在の旧正月の月の干支は「寅」。
 十二支の始まりである「子」では有りませんのでお間違いのないように。


 もとはと言えば、一年という季節の巡る周期が、月の満ち欠けサイクルの約
 12倍であったことから始まった「一年は十二ヶ月」という感覚は、月と日付
 の感覚の希薄になった現在も「暦の上でだけ」は生きています。

 それが「暦の上だけ」となったため、今回の質問者の方のように、一年が十
 二ヶ月ということを不思議に思う方が出てくるようになったのですね。
 たまには月を見上げて、昔の人の感覚を取り戻してみてはいかがでしょう。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/05/29 号

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