こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■梅雨と暦のあれこれ
◇入梅は「荷奪い」
 江戸時代には文字の読めない人々のために、暦を「絵」で表した絵ごよみが
 ありました。一般には「めくら暦」と呼ばれました。文盲ということから、
 「盲(めくら)暦」と読んだものでしょう。

 めくら暦では、暦の上に書かれる様々な言葉を絵で表します。どんな絵かと
 いうと身近な人や物などを使って語呂合わせ的に暦の言葉を表すものでした。
 ではこのめくら暦では入梅の日をどんな風に表現していたのかと見ると、
 盗賊が馬に載っている荷物を盗んでいく場面です。
 どうしてこれが入梅かというと、それが語呂合わせ。

  盗賊が荷を奪う → 荷奪い(にうばい) → 入梅(にゅうばい)

 というわけです。絵を見て、これは何を意味しているのかなと考えながらこ
 のめくら暦を眺めてみると面白いです。


◇梅雨葵(つゆあおい)
 梅雨葵の本当の名前は、立葵(たちあおい)。
 初夏の頃から夏の季節に見かける大きな花です。
 沢山の花がまるで花の塔のように咲くきれいな花です。

 この花は茎の下部についた花から順に咲き始め、次第に天辺に向かって花が
 開いて行きます。
 この花の咲く時期が梅雨に時期に当たり、茎の下部から花が咲き始める時期
 が梅雨入りで、天辺まで花が届くと梅雨明けだなどといわれます。

 梅雨の始まりと終わりを花で表すことから、梅雨葵と呼ばれるようになった
 とか。
 私が見るところでは、入梅と出梅に花が連動しているとは思えないのですが、
 まあ、きれいな花だしきれいな名前ですから、これもいいですね?


◇墜栗花(ついり) 
 栗の花が散る頃になると梅雨に入るということから、栗の花を梅雨入りの目
 安とすることがあったようです。

 栗の花が墜ちる頃ということから、「墜栗花」と書いて「ついり」(梅雨入
 りの意味)と読むことがあります。
 また、栗花落と書いて「つゆ」と読む姓があるそうです。
 この日刊☆こよみのページをお読みの方の中に栗花落さんははたしていらっ
 しゃるでしょうか?


 私の住む和歌山では、気象庁からの梅雨入り宣言はまだありませんが、栗の
 花が盛んに咲き始めましたので、これが落ちるのもそろそろ。そのころに本
 当に梅雨入り宣言となるかなと、ちょっと楽しみに眺めています。
 ちなみに、本日は梅雨の時期を思わせるどんよりとした曇り。雨もぱらつき
 そうな空です。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/06/13 号

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