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■暦注の話・八専と十方暮
 「八専(はっせん)と十方暮(じっぽうぐれ)について教えてください」

 という質問メールを頂きました(Web こよみのページ宛に)。
 返信しなくてはいけないのですが、同じ返事を書くなら暦のこぼれ話に使っ
 てからでも遅くないかと、本日はこの話。


◇日の干支による暦注です
 八専も十方暮もともに日の干支によって決まる暦注です。
 日の干支とは、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)の60の組み合わせ
 を毎日一つずつ割り付けたもので、60日ごとにめぐってきます。例えば今日
 は「辛未(かのとの ひつじ)」で、明日は「壬申(みずのえ さる)」と
 なっています。

 八専も十方暮もともにこの日の干支の組み合わせによって決められています。
 つまり、60日間に一度は八専と十方暮はは巡ってきます。
 大体、この日の干支できまる暦注というのは、その干支(「干」を天干(て
 んかん)、「支」を地支(ちし)とよばれます)を五行説に従っった解釈の
 結果から意味付けられたもので、現代から見ればこじつけ以外の何者でもな
 いのですが、その迷信を信じている人は多いようです(困ったものだ)。

 五行説(万物を、木火土金水の五つの性質で分類したもの)から見た天干と
 地支の性質は、次のように考えられます。

 天干  甲乙:木  丙丁:火  戊己:土    庚辛:金  壬癸:水
 地支  寅卯:木  巳午:火  丑辰未戌:土  申酉:金  子亥:水

 :後に書かれた「木、火・・・」が五行説から見た性質です。
 (詳しくは http://koyomi8.com/doc/mlwa/200611180.htm などを参照)


◇八専の意味と撰日法
 八専は日の干支が壬子〜癸亥までの12日間のうちの 8日間。残り 4日間は八
 専の間日(まび)といわれ、例外の日です。

 八専は天干と地支の性質が同じになる日な並ぶ時期です。例えば最初の壬子
 は、天干は「壬」でその性質は「水」。地支は「子」でその性質はこもまた
 「水」。つまり天干と地支の関係が「水・水」となるわけです。

 こうした天干と地支の性質がそろうことを「専一(せんいつ)」といい、八
 専は専一となる日が一カ所に集まっている期間です。専一の日は天干・地支
 とも同じ性質なので、善いことは更に善く、悪いことは更に悪くなると言う
 ような増幅効果がある日だと昔の人は考えたのです。ですから、吉事には善
 いのですが凶事には注意しなければならないと言うことです。

 八専の間日とはこの天干・地支の関係が専一とならないため、この期間の例
 外とされています。
 ちなみに、次の八専の期間は 2007/11/14〜11/25です。

◇十方暮の意味と撰日法
 十方暮もまた天干と地支の関係から考えられた暦注です。専一は天干地支の
 意味が同じになる状態でしたが、十方暮は「相剋(そうこく)」という関係
 になる期間です。

 相剋とは、簡単に言えば仲の悪い関係のこと。例えば、「金と火」は相剋。
 理由は、「金属は火に弱い(融かされる)から、金にとって火は相性のよく
 ない相手だ」と言うことです。なんとも安直。

 天干と地支が相剋の関係にある日はそりの合わない性質が一つの日の中にあ
 るため、まとまりがつかず何をやってもうまく行かない日と言うことです。
 この「十方暮」はもしかして、「とほうにくれる」の語呂合わせか?

 十方暮の期間はとは、甲申〜癸巳までの10日間のうちの 8日間。間にやはり
 例外の 2日(丙戌と己丑)がありますが、八専と違って特に間日とは呼びま
 せん。
 最近の十方暮の日付は 2007/10/17〜10/26となります。


 八専も十方暮も六十干支の組み合わせで出来たものですから、60日毎に巡っ
 てきます。今から見ればただの数字の遊び、こんなものに振り回されて道を
 誤らないように(?)。

 以上、久々の「暦注の話」でした。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/10/04 号

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