こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■本日秋の土用の入り
 本日は土用(秋)の入りです。
 土用というと、夏の「土用丑の日」の土用しか思い浮かばない方も多いと思
 いますが本来、土用は四季それぞれの間に挿入された期間で、つまり年 4回
 有ります。
 今回の土用は、秋と冬の間の土用と言うことになります。
 暦のはなしでは時々耳にする「土用」ですがそれがどんなものなのかちょっ
 と見てみましょう。

◇土用はどうして生まれた?
 土用の生まれは遠く古代中国の戦国時代に遡ります。
 戦国時代はBC 403年に晋が韓・魏・趙の 3つの国に分裂した年に始まりその
 国々が秦によって統一されるまでの約 200年のことです。今からざっと2400
 年前と言うことになります。
 この時代には五行説(ごぎょうせつ)が発達しました。この五行説とは万物
 は、

  木・火・土・金・水

 の 5つの気の消長によって生まれるという科学的な仮説です(といっても、
 勿論2400年前の「科学的仮説」ですが)。
 この仮説は一種の元素論と言うことが出来ます。自然界に存在する物を 5つ
 の元素によって成り立つものだと考えたわけで、そう言う意味ではなかなか
 良い考えだったのですが、この考えを、運命や王朝の治乱勃興にまで拡大解
 釈するようになって、道を誤ってしまいました。そして現在は、科学の世界
 ではなく、占いの世界に生き残りました。

 様々な物に五行説を敷延して行く中で季節にも五行が当てはめられました。
 五行説は一種の元素論と言っても、それは大変素朴なもので普段我々が目に
 する「木・火・土・金・水」の性質でそれぞれを説明したものです。例えば
 季節への割り振りもこんな具合。

  春 ・・・ 木が芽吹く季節 ・・・ 木
  夏 ・・・ 熱暑の季節 ・・・ 火
  秋 ・・・ 金属のようにひんやりする季節 ・・・ 金
  冬 ・・・ 雪や氷の季節 ・・・ 水

 わかりやすいといえば実にわかりやすい。
 こう言われれば四季に「木・火・金・水」の四行を割り当てた古代の人々の
 判断も理解出来ますね。
 でも待って下さい、割り振られたのは四行であって、五行には一つ足りない。
 何が足りないかというと「土」。

 五行説提唱者にしてみると、我々のよく見知った季節が「四季」だというの
 は、ちょっと困るわけです。ですから何とか理由を付けて四季の中に 5つの
 期間を作る工夫をします。そうして生まれたのが土用です。


◇土用の仕組み
 仮に一年の日数を 5分割すると

  365日 ÷ 5 = 73日

 となります。この日数を春夏秋冬に一つずつ割り当て残った最後の73日(五
 行の「土」の分)を更に 4分割します。すると一つの期間は18〜19日。
 この期間を四季の終わりの期間に挿入することで何とか、五行全てを四季に
 押し込むことが出来ました。


◇土用と禁忌
 現在でも建物の基礎工事や、水道工事、農作業などを土用の期間に行うこと
 を忌む風潮があります。これは土用の期間は土公神(どくじん)という土を
 司る神様が支配する期間なので、土を掘り返したりするとこの土公神様が怒
 って祟ると言うわけです。

 水道工事に関しては、土用の期間は土公神が「井戸に宿る」とされたことか
 ら井戸を掘ったり、浚ったりすることは特に忌まれたことでしたので、井戸
 が水道と変わって現代に残った迷信というわけです。

 しかしよく考えれば、それなら夏には火を、冬には水を使っちゃいけないの
 かと言うことになりますが、そんな禁忌はありません。
 迷信の迷信たる御都合主義と言わざるを得ません。


 さて本日から始まる秋の土用は、11/7の節分までの18日間。この期間が過ぎ
 るといよいよ季節は冬となります。
 土用の期間とその間の「間日」については、

  土用と土用の間日、丑の日計算 http://koyomi8.com/sub/doyou.htm

 をご覧ください。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/10/21 号

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