こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■松迎え(まつむかえ)
 今年も残すところ 6日。
 ここまで来ると意識は年末と言うより、新年に向かい始める頃ですね。
 新聞やTVのニュースにも、新年の話題がふえてきました。
 皆さんのお宅でも、新年の準備を始め、あるいはすでに終えられているかも
 しれませんね。

◇松迎え
 門松などの正月の松飾り用の松を採りに山にはいるのは正月の事始め以後。
 この松飾り用の松を採りに行く行事が松迎えです。
 松迎えは正月の事始め以後ですから事始めの 12/13以降であればよいわけで
 すが、13日では早すぎるためか、そんな早くから正月の準備を始められない
 という事情からか、今頃から28日頃までに松迎えを行うことが増えているよ
 うです。

 松は、「祀る(まつる)」が語源であるという説があるほどで、古くから神
 の依り代、神と交わる木として崇めらる木です。正月行事における松は、新
 年の年神の依り代、或いは年神への目印としての働きが考えられます。
 本来は依り代的な使い方が主であったと考えられ、この場合は家の神棚に飾
 られることが多いようです。松は正に「神を待つ木」だったのです。

 かく言う私の実家ではこの「依り代」としての松で、この松を

   正月様

 と呼んでおりました。
 それがいつの間にやら、年神を導くための目印化して神棚から家の玄関へ、
 そして門へと移動したようです。

 門松はすでに平安時代には登場したようですが、登場した頃は門の左右に飾
 られるのではなくて、門の間(あるいは玄関)に一本だけ飾ってあったとか。
 神様を導く目印だとすれば「一本」が当たり前ですが、門前、玄関前の真ん
 中に一本松が立っていたら、人が往来するには不便だったしょうね。
 門松が現在のような「門の左右」に置かれるようになったのはそうした事情
 からでしょうか。

◇松迎えは28日まで?
 松迎えは、大体はその家の家長か新年の年男が行うもので、28日頃にはこれ
 を終えておきます。これは、29日は「九」は「苦」に通じるとしてこの日に
 松を採るのは「苦松(くまつ)」といわれ嫌われたからとか。

 また、31日では一夜飾り的で、あまりに即席で神様に失礼と考えられるため
 やはり松迎えの日としては忌まれました。
 もし28日までに用意出来なかったら・・・、30日が空白の一日でしょうか?

◇個人的な思い出
 個人的な松迎えの思い出としては、子供の頃によくこの松迎えの役割を与え
 られていたことがあります。
 その当時は、深い意味などわかりませんでしたが、

   木の天辺にある、格好のいい枝を採ってくる

 ことが私の使命と、毎年冬になると近所の山の木を眺めて格好の佳い枝を探
 したものです。

 ある年は、佳い枝振りの木が見つかったものの、登りにくい木でその枝まで
 登り着くことの出来なかった私は、考えた末にその木を根元から伐り倒すと
 いう妙案を思いついて実行し、形の良いその枝を手に入れて意気揚々と引き
 上げたことがありました。この「妙案」を得意になって親に披露して、しこ
 たましかられたことも、今ではいい思い出です(・・・)。

 さて今年も残すところわずか。
 12/28 までに、お正月様となる松を迎えに出かけないといけませんね。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/12/26 号

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