こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■今日の立春は「年内立春」
 本日は立春の日。
 現在日常的に使われている新暦では年初は冬至に近い頃にありますが、それ
 以前に使われていたいわゆる旧暦は、立春付近に年初を置く「立春正月」の
 考えに基づいた暦です。

 立春正月の考えに基づいた暦といわれるためか、時々旧暦の元日は立春の日
 だと勘違いしている方がいます。
 でもそうではないことは、この日刊☆こよみのページに掲載している毎日の
 暦データをご覧いただければすぐにわかります。今日の暦データからその部
 分を抜き出してみると、

  西暦 2008年  2月  4日  [月の] 第2週 第1月曜
  旧暦  12月 28日 (先負)
  立春             二十四節気の一つ 旧暦正月節気
  東風凍を解く     七十二候の一つ(1候)

 となっています。立春なのに旧暦の日付はまだ前年の12月のままです。
 こうした旧年中に立春を迎えてしまう年のことを、
   年内立春 (ねんない りっしゅん)
 と呼びます。


◇年内立春の年は珍しい?
 古今集の冒頭を飾るのは、この年内立春について詠まれた次の歌です。

  『年の内に 春は来にけり ひととせを 
        こぞとや言はむ 今年とや言はむ』

 ふるとしに春たちける日よめるとした、在原元方の歌です。
 流石に古今集の冒頭を飾るほどの歌ですから、どこかで耳にし、或いは目に
 したことのある歌なのでは無いでしょうか。
 歌の意味は、「年が変わらないうちに立春が来てしまったこの年を、去年と
 言うべきか、今年と言うべきか」と言ったところでしょうか。

 旧暦と言われる暦が実生活でも使われていた時代に詠まれた歌が、わざわざ
 年内立春に言及していると言うことは、それだけ珍しいことだったのでしょ
 うか?
 いいえ、年内立春は全然珍しいものではありません。


◇確率は1/2
 立春は二十四節気の正月節と呼ばれる節気ですが、旧暦の暦月の名前を決め
 るのは二十四節気の「節」ではなくて「中」の方。旧暦の正月という暦月を
 定めるのは、正月中の「雨水」で、今年の雨水は新暦では2/19にあたります。

 旧暦の正月はこの雨水を朔日から晦日までに含む月です。つまり旧暦では雨
 水が1/1〜1/30(小の月なら1/29)の範囲で変化するわけです。
 立春と雨水とは15日離れていますから、立春が無事に旧暦の新年に含まれる
 ためには、雨水が旧暦の1/16以降の日付をとった場合となります。

 残念ながら、今年の雨水は旧暦では1/13にあたっていますから立春は旧暦正
 月の内には含まれないことになります。
 立春が旧正月に含まれる条件が、雨水の日付が旧暦の16日以降でなければい
 けないと言うものですから、そのそうなる確率は約1/2 となります。
 逆に言えば、「年内立春となる年は、全体の1/2 」ということが出来ます。

 全体の1/2 が年内立春となるといわれれば、全然珍しい現象でないことが判
 ります。
 ちなみに、昨年2007年も旧暦2006年の年内立春、今年も旧暦2007年の年内立
 春となる年で、来年の立春は旧暦2009年の立春なので、新年立春となります。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2008/02/04 号

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