こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■サンジョルディの日
 一時期、四月に本を買うと本屋さんが挟んでくれる本の栞に

  4/23は、サンジョルディの日、大切な人に本を贈りましょう。

 といった言葉が書かれている事がありました。
 本日の「今日の記念日」にもこのサンジョルディの日を取り上げたとおり、
 もとはスペインで行われていた行事で、バレンタインデーのような行事です。

◇サンジョルディって何?
 さてこのサンジョルディの日はキリスト教の聖人、聖ゲオルギウスの祝日で
 す。聖ゲオルギウスはイングランド、グルジア、モスクワ、カタロニア地方
 (スペイン)などの守護聖人となっています。

 聖ゲオルギウスの祝日なのに何故サンジョルディの日なのかですが、これは
 カタロニア地方での聖ゲオルギウスの呼び名が Sant Jordi (サン・ジョル
 ディ)だからだそうです。

 さて、この聖ゲオルギウスですが、何か本と関係有るかとこれが全然見あた
 りません。伝説では白馬にまたがった騎士で、人々に害悪をもたらしたドラ
 ゴンを退治した事で知られた勇猛な聖人なのです。うう、本の話は?


◇ドンキホーテの生みの親の命日
 カタロニアでは「サン・ジョルディ」はその地方の守護聖人の祝日ですから
 お祭りであるのはわかりますが、直接この守護聖人と本とは関係が無さそう
 です。ではなぜ本の日となったかというと、スペインの生んだ大作家、ミゲ
 ル・デ・セルバンテスの命日だからです。
 セルバンテスといってもピンとこない方には、

  ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ(ラマンチャの騎士ドン・キホーテ)

 の作者だといえば判ってもらえるのでは。
 このセルバンテスの生没年月日は、1547/09/29〜1616/04/23。
 スペインの生んだ偉大な作家の命日がたまたまサン・ジョルディの祝日であ
 ったことから、この日がスペインでは本の日となり、日本の本屋さんはバレ
 ンタインデーのチョコレートの如くあれと、この日を宣伝しました。

 もっとも、その本屋さんの野望は実らず、未だに日本では普及していないよ
 うです。その意味ではバレンタインデーのチョコレートの如く甘く、そして
 ちょっぴりほろ苦い結末の本屋さんの野望だったようですね。

◇シェイクスピアの命日?
 サンジョルディの日の4/23はセルバンテスの命日と書きましたが、セルバン
 テスの命日、1616/04/23にはセルバンテス以上に有名な作家が亡くなってい
 ます。その人の名はシェイクスピア(1564/04/23〜1616/04/23)。

 お気づきになった方もいらっしゃるかも知れませんが、4/23はシェイクスピ
 アの命日でもありますが、また誕生日でもあります。
 4/23は史上最大の作家ともいわれるシェイクスピアの誕生日かつ命日という
 事で、「本の日」にも箔がつくというものです。

 たまたま同じ年同じ日に、海を挟んだスペインとイギリスで二人の大作家が
 亡くなったとは奇遇ですね・・・と書きたいところですが、日付は同じでも
 二人のなくなった日は10日間ずれています。何故か?

 理由は1616年当時スペインとイギリスで使われていた暦の違いです。
 1582年にローマ教皇グレゴリウス十三世はユリウス暦からグレゴリウス暦へ
 の改暦を発表しました。カソリックの国スペインはこれに直ぐに従ったので
 すが、イギリスはこれに従わず、1616年当時はユリウス暦が使われ続けてい
 たためです。

 ユリウス暦1616/04/23はグレゴリウス暦では1616/05/03となります。つまり、
 シェイクスピアはセルバンテスの10日後になくなっていたのでした。
 まあ、命日なのでなくなった当時使われていた暦の日付でも問題ないので、
 4/23で良いのですが、日刊☆こよみのページらしく、ちょっと暦のはなしに
 引っ張ってしまいました。悪しからず。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2008/04/23 号

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