こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■笹百合の祭
 今日の誕生花を眺めてましたら、

  6/17 ササユリ(笹百合) 花言葉:上品

 とありました。
 Web こよみのページの「今日の誕生花」のページには、みっちょんさん(サ
 イトの利用者の方)から提供して頂いた笹百合の画像を掲載しています。
 お時間があれば目の保養になると思いますのでご覧下さい。
 (→ http://koyomi8.com/cgi/today/bflower.php?syy=2008&smm=6&sdd=17 )

◇ゆり祭(三枝祭)
 さて、笹百合で思い出したのが三枝祭(さいぐさ まつり)のこと。
 三枝祭は奈良県奈良市の率川(いさかわ)神社の祭礼で、その別名は

  ゆり祭

 です。この祭りは白酒(しろき)、黒酒(くろき)の酒樽に古くは「サイク
 サ」と呼ばれたという笹百合を飾り、髪に笹百合を挿した巫女が舞を奉納す
 るという祭りです。
 祭りの日程ですが、これが調べてみるとなんと、6/17。今日じゃないですか。
 何てついているんでしょう。

 率川神社の祭神は神武天皇の皇后である伊須気余理比売命(いすけよりひめ
 のみこと)。普通はこの名前よりなじみやすい別名の「五十鈴姫命(いすず
 ひめのみこと)」で知られる神です。

 笹百合の古名「三枝」は、十分に成長した笹百合は三つの花をつけるように
 なることからこう呼ばれたのだと考えられます。
 祭りの名前は笹百合の古名である「三枝」、神事にも笹百合が使われるよう
 にこの祭りには笹百合の存在が重要ですから、いつしか「ゆり祭」と呼ばれ
 るようになりました。

◇五十鈴姫命と笹百合
 五十鈴姫命は、三輪山の祭神、大物主大神(おおものぬしのおおかみ)の娘
 で、狭井川(さいがわ)の畔に住んでいました。
 七人の乙女の先頭に立って野を歩いているときに神武天皇と出会い、皇后に
 迎えられたのだと古事記に記されています。

 姫命がその畔に住んでいたという「狭井川」の「サイ」は「佐韋」のことで、

  「佐韋」は山由理草(やまゆりぐさ)の本来の名前

 なのだそうです(古事記による)。ここで言うところの「ヤマユリ」は、ヤ
 マユリではなくてササユリのことなのではないでしょうか。ササユリの古名
 三枝の名前が付き、ササユリを髪に挿した巫女の舞を奉納する祭りの祭神が
 住んでいた場所と考えれば、その地名はやはりササユリと関係ある名前だと
 考えてしまいます。いや、五十鈴姫命自身がササユリの化身なのかもしれま
 せんね。

 今日行われている三枝祭は、八世紀の始めから行われていた由緒ある神事。
 清楚で上品な笹百合と、古式ゆかしいこの祭りに思いを馳せて、今日一日く
 らい、清らかに過ごしてみましょうか。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2008/06/17 号

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