こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■日の出が一番早い日は?
 一年で一番昼の時間が長くなるのは夏至(今年は6/21)だということは皆さ
 んよくご存じのことと思います。
 東京での夏至の日の昼の長さは14時間35分で、確かに一年で一番昼の長い日
 になっています。

◇日の出が一番早い日は
 こよみのページを開いていると、夏至の頃になると必ずと言っていいほど、
 「夏至の日より、日の出が早い日があるのはなぜか?」
 という質問があります。
 これと同じ質問(というか、裏返しの質問)は冬至の頃にもあり、こうした
 質問が来ると、

   ああ夏至(冬至)なんだな

 と思います。こよみのページにとっては年中行事のようなものです。
 ところによって日付はちょっと変わるのですが日本付近だと大体夏至の10日
 程前の方が、夏至の日よりちょっとだけ日の出の時刻が早いです。
 東京近辺で計算すると
 6/13と、6/21とついでに6/26の日出・南中・日没時刻及び、昼時間(日出〜
 日没までの時間)を並べてみます。

 6/13 日出 4:24 南中 11:41 日没 18:58 昼時間 14:34
 6/21 日出 4:25 南中 11:43 日没 19:00 昼時間 14:35 (←夏至の日)
 6/29 日出 4:28 南中 11:44 日没 19:01 昼時間 14:34

 確かにちょっとだけですが夏至より日の出が早い日、日没が遅い日がありま
 す。でも昼時間はやはり夏至の日が一番長い(まあ、いずれもちょっとの差
 ですけど)。

◇時計の一日と自然の一日
 さて、こうしたことが起こる理由は何かというと「均時差」ですというのが、
 答えです。めでたしめでたし。
 均時差については、Web こよみのページに

  冬至は一年で一番日の出遅い日か?・・・均時差の話
  ⇒http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0508.htm

 に詳しく書いてありますので興味のある方はお読み下さい(結構量がありま
 す)。詳しい内容はそちらの記事にまかせるとして、既に書いた東京での日
 出、南中、日没の時刻を見ただけでもある程度理由がわかります。
 注目するべきなのは日出没の時刻ではなく、南中時刻です。

 南中時刻とはこの場合、太陽が真南を通過する瞬間なのです。その昔は太陽
 が真南に来た瞬間から次にまた真南に戻ってくる周期を「一日」としていま
 した。もし現在もそうだとしたら、南中時刻は恒に同じ時刻になるはず(日
 本の標準経度である東経 135°の線上では、正午丁度。東京が11:4?なのは、
 この標準経度より 4°ばかり東にあるためです)。

 ところがほんのちょっとですが、6/13,21,29の南中時刻が違っています。
 正確に測ると実は「太陽が真南に来てから次に再び真南に来るまでが一日」
 という「一日」の長さが変化するということが均時差の生まれる理由です。

 この南中時間を基準にして、昼時間を 1/2すると 1/2前が日出、 1/2後が日
 没となります。つまり日出没の時間が夏至の日より早くなったり遅くなった
 りするのは、この基準になる南中の時刻がずれてしまっているために起こる
 現象なのです。

 太陽が真南に来て再び真南に戻ってくるまでの一日の長さを自然の一日(こ
 れを「真太陽日」あるいは「視太陽日」と言います)としますと、この自然
 の一日の長さは季節変化します。
 この変化は一日ごとに見ると最大でも28.5秒ほどで小さい値ですが、塵も積
 もれば目立つほどのさに成長します。この結果、夏至より日の出の早い日が
 生まれるのです。

 現在私たちは、最大でも28.5秒でしかない一日の長さの違いですらはっきり
 判る正確な「時計の一日」に基づいて暮らしています。
 そのため正確な時計の一日を基準に、自然の一日を眺めて

  夏至の日より、日の出の早い日がある。不思議だ。

 と考えるようになっています。
 なんだかちょっと皮肉な現象ですね。。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2008/06/19 号

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