こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■人類月に立つ!
 明日7/20は、39年前(1969年)に

  「ちょっとお月様まで散歩」

 に人類が出かけた最初の日です。
 最初に散歩した人はアームストロングさん。
 二人目は、アームストロングさんに遅れること20分のオルドリンさん。
 たった20分の違いでしたけれど、この20分の違いでの知名度の違いは大きか
 ったですね。

 オルドリンさん以上にかわいそうなのは、多分コリンズさん。月面で散歩中
 の二人を、ほんのちょっと上の軌道上で待っていたのですが、散歩仲間に入
 れてもらえなかったため、知名度は月面の散歩者二人とは比べものにならな
 いものになってしまいました(私も思い出せませんでしたので改めて調べま
 した)。

  人類にとって偉大な一歩

 と言う名言で知られた最初の一歩が踏み出されるまでに、地球を出発してか
 ら 102時間46分もかかったそうですから、「お月様までちょっと散歩」する
 のは当時としては大変だったようですね(今もその辺の事情はさほど改善さ
 れておりませんが)。
 まあ、散歩として考えると大変でしたでしょうけれど、その時残してきた

  偉大な一歩目

 の足跡は、有名なハリウッドスターの手形や足形よりずっと長く月面に残っ
 ているはず(近くに隕石でも落ちない限り)ですから、苦労の甲斐はあった
 でしょうね。

 もっとも、現代の月旅行を企てたアメリカの人たちは知らないでしょうけれ
 ど、日本はこのアポロ11号より遙か昔に当時のハイテクマシンであった牛車
 によって、かぐや姫様御一行を送り込んでいるのですけれどね(かぐや姫は
 「帰った」のだから送り込んだは正確な表現では無いでしょうか)。

◇お月様の土地
 「月面の土地を買えると聞いたんですが」

 と質問されたことがあります。
 ちょっと「月の土地」でネットを検索すると、これを販売していると称する
 アメリカの会社(日本語ページももちろんあります)を見つけることが出来
 ます。

 会社のサイトでは盛んに「これは法的に問題ない」と言い立てていますが、
 その内容を読めば「熱はないですか?」と言わずにはいられない内容です。
 法的に問題ないというのは要するに、まだ誰もいけないような(おっと、一
 応アポロ計画では何人か送り込んでいましたね)ところの所有権など規定し
 た法律が無いと言うだけのことです。
 その会社は、地球外の天体に関する権利は1967年の宇宙条約第 2条で

 「天体を含む宇宙空間に対しては、いずれの国家も領有権を主張することは
  できない。」

 と規定しているが、「これは「国家の領有の禁止」だけを規定していて、個
 人の所有を禁止していない。」と言っています。
 やっぱり「熱ないですか?」と言いたいところです。
 この会社の楽しいところはさらに

 「1980年にサンフランシスコの行政機関に出頭し所有権の申し立てを行った
  ところ、正式にこの申し立ては受理された。」

 「念のため月の権利宣言書を作成、国連、アメリカ合衆国政府、旧ソビエト
  連邦にこれを提出。この宣言書に対しての異議申し立て等が無かった。」

 ということで、正式に認められたのだと言っているところ。
 言われたほうだって困りますよね。「国家の領有を禁止」された天体の土地
 の権利を自分のものにしていいかと言われたって、自分で領有しているわけ
 でも無い土地の権利を云々されたって答えようもない。
 件の会社は「認められた」といっていますが要するに、そんな馬鹿な話は放
 っておきなと「無視された」だけですね。

 この「無視」をもって自分たちの主張は認められたのだと「虫」のいい解釈
 をしてこの会社は、「月の土地の権利書」なるものを発行して儲けています。
 お値段は

  1エーカー(4047平方メートル、1226坪)で2700円也。

 格安です。安いのも当たり前、必要経費は送られてくる紙切れ 3枚とその送
 料だけ。あとは丸儲けですからね。
 まあ、商売上手(詐欺師の手口?)なのはこの価格設定。この程度の値段な
 ら眉唾商品だと思っていても「まあ、洒落だと思って」払ってしまう値段な
 のでしょう。そうして、

  「母の日に、バレンタインデーの贈り物に、結婚祝いに、
   月の土地を送りませんか」

 といっているわけです。
 最近はこの会社はさらに図に乗って「火星の土地・金星の土地」まで販売し
 ているようです。この会社ではありませんが類似するものに、「星に名前を
 付ける権利を売ります」という商売もあります。
 何れも実効性の無い点では同じ。

 値段を見れば「洒落」で済ませられる額かも知れませんが、その「洒落」で
 ほくそ笑むのはこんな眉唾商売を行っている奴らばかり。
 こんな連中に「洒落」でお金をやるくらいなら、ユニセフにでも寄付して学
 校に通えない子供達の支援をしてください。こよみのページに寄付するとい
 う手もありますが、ユニセフへの寄付ほど、人様のためにはなりませんので、
 おすすめは出来ませんね(余計な話か?)。

◇お月様は誰のもの?
 「あそこの土地はお隣の○○さんの、あっち側はお向かいの△△さんのもの」
 なんて馬鹿な話をすることなく、

  「かぐや姫と、うさぎとあとはみんなのものかな」

 としておきませんか?
 「人類月に立つ!」なんていう雄々しいタイトルでスタートしたのに中身は
 関係ない話になってしまいました。看板に偽り有りで申し訳ない。
 まあ、「こぼれ話」ですから大目に見てください。ではまた次回。


 最後に、文中「あの会社」とだけ書いておりますのは、「あんな会社」に荷
 担したく無いから。探そうとすれば、どうせネットで検索すれば直ぐ見つか
 りますから書くまでもないですし、調べようと思わない方には知らせなくて
 もよい情報だと思ったのでこうしました。悪しからず。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2008/07/19 号

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