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■土用と稲穂
 今年の夏土用に入ったのは7/19でしたが、この時期には他の話で暦のこぼれ
 話がめずらしく「混雑」しておりましたので、押し出されるように土用のは
 なしが今日にずれ込んでしまいました。

 さて、土用は毎年やって来ます(それも年に 4度も)。土用だからといって
 何か書こうと思っても、「これって前に書いたかも?」と不安になります。
 昔書いた話は忘れている(忘れることにしている?)ことが多いので、昔の
 こぼれ話を「土用」のキーワードで検索して見ました。

 結果は 7件。やっぱり沢山書いてますね。では今までと重複しない土用の話
 題は何か無いかなと知恵を絞った結果、土用と稲の収穫についての話とする
 ことにしました。

◇土用照りは「○」、土用に秋風は「×」
 土用の時期というのは梅雨が明けてたっぷりの日光が降り注ぐ時期です。
 植物にとっては伸び盛りの時期と言うことが出来るでしょう。

 元々が熱帯〜亜熱帯の植物だった稲にとっては、生まれ故郷を思い出させる
 この時期の気温と日射は、その「伸び」にとってもっとも大切なものかも知
 れません。
 そのため、この土用の時期にどれだけ陽が当たるかと言うことは秋の収穫量
 に直結する問題でしたので、これを表す諺が生まれました。例えば

  土用照り
  土用三郎が晴天なれば豊作
  土用十日あとさき照れば豊年
  土用三郎寒四郎暑五郎

 これは、何れも豊作になることを予測させる言葉です。
 土用三郎とは土用の三日目という意味。ちょうど今日は土用三郎に当たる日
 です。狙って書いた訳ではありません。偶然です。
 最後の「土用三郎寒四郎暑五郎」は土用の三日目と、寒の四日目、大暑の五
 日目が晴れればその年は豊作になるというものです。
 いずれの諺を見ても、土用の時期の晴れは豊作を約束してくれる有り難い暑
 さということのようです。

 豊年があれば、心配な年もあります。

  土用半ばに秋風が吹く
  土用の秋模様
  土用の入りに秋風が吹く

 といった諺がそれ。
 土用という暑いはずの時期に涼しい秋風が吹き出すというのは、暑さにあえ
 ぐ人間にとっては有り難いことでも、稲の生長にとってはマイナス。
 こうした年には凶作が心配されたようです。

◇土用のミンミン蝉は「○」
 長野県にある諺だそうですが

  土用にミンミン蝉がなくと陽気がよくなる

 というのがあるそうです。土用の陽気がよくなると言うことですから、豊作
 を予感させる諺と言えます。またこのミンミン蝉の鳴き声は

  実入れ、実入れ

 と聞こえることから縁起のよい蝉と考え、この蝉の鳴き声を有り難がる地方
 もあるとか。もちろん「実入れ」とは、稲穂に実が入れという意味ですね。
 さて、今年はどうでしょう?

 今日の話の最後は「ミンミン蝉」の話になりましたが、私の家の回りでは朝
 から蝉は盛大に鳴いてうるさいほど。
 この分だと、今年は豊作になるのかな?

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2008/07/21 号

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